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6512号 粗悪な6本入りボールペンとモンブランの万年筆の話


■しばらく商売人向けの内容になります。
 ご容赦下さい。


 消費者の思いを過度に忖度し、

 【値上げは「悪」】

 なんて思っている経営者も
 少なくないようですが、


 なにも消費者も問答無用で

 【値上げは「絶対反対!」】

 なんて考えているわけでは
 ないんですよね。



■安いですよ、
 しかし品質は悪いですよ。

 安いですよ、
 しかし人体に危険ですよ。

 安いですよ、
 しかしなんの役にも立ちませんよ。

 これでは困ります。



■こんなことを書いていると、

 小学校3年生くらいのときにあった
 悲しい出来事を思い出しました。


 昔から鉛筆や文房具で
 紙に絵や文字を書くのが好きで、

 そこから鉛筆やボールペン、
 (長じては万年筆)を、

 文房具屋さんで購入しては
 書き味を確かめる、

 なんてことをしていました。



■そんなある日、

 「100均ショップの前身?」

 みたいな、

 いろんなものが信じられないくらい
 安い値段で売っているお店が、

 近所にできたのです。



■小遣い銭を握りしめ、

 喜び勇んで
 物色しにいったわけですが、そこで

 「ボールペン6本入り100円」

 という商品を見つけました。



■すぐに購入して、

 良い買い物をしたという喜びとともに
 家に戻ったところまでは良いのですが、

 なんと6本入りのボールペン、
 一本残らず、インクが出んのです。



■当時はまだ、
 小学校低学年の純朴な子ども(!)

 でしたから、

 まさかお店にそんな粗悪品が
 売られているとは思わず、

 何度も何度も力強く紙に
 ペン先を押し付けるのも、

 かすれたインクすら
 紙につかないという不良品ぶり。



■このときが、その後、
 何度も苦汁を舐めさせられることとなる

 「安かろう悪かろう経験」

 ことはじめ、でありました。

 (人はこうして
  大人になっていくのですね)



■やがて社会人一年目に、
 モンブランの万年筆にハマりました。


 そのフォルムの美しさと
 書き味の虜となり、

 以降の日記は、すべて
 万年筆で書くようになり、

 乏しいお金の中から何本も、梅田の
 紀伊國屋書店で購入したものでした。

 (わけあって今は
  万年筆は使っておりませんが)



■このとき初めて

 「安かろう悪かろうの粗悪品を
  購入させられたときの怒り」

 とは対極にある

 「高いけれども良いものを
  購入した満足感」

 を体感したのかもしれません。



■商売人の選ぶ道は、究極的には

 【安かろう悪かろうへの道】

 と

 【高いけれども物は良い】

 のいずれかの道しかありません。



■消費者が

 「値上げは勘弁」

 と思うのは
 まだ分からないでもありませんが

 (私も、多くの場面において
  消費者ですからね)


 しかし、経営者が

 「値上げはしない」

 と決めた瞬間から
 たとえ本人は無自覚であっても

 【安かろう悪かろうへの道】

 をまっしぐら、に
 どうしてもなってしまうのです。



■なぜなら

 【値上げするには
  相当の覚悟が要求されるから】

 です。


 その覚悟を持たず、
 値上げを忌避する経営者は

 「商品やサービスの水準を高めようとする
  意思を放棄した」

 と見做されても仕方ない、と
 私(鮒谷)などは思います。



■もちろん巨大資本を擁する大企業が

 「戦略的に」

 値下げに次ぐ、
 値下げを行うことはありますよ。


 そうして競合をこの世から抹殺し、
 そこから悠々と

 「強豪の居ない世界で
  値上げに次ぐ値上げを行う」

 ということを行う企業は
 少なくありませんしね。


 プラットフォームの横暴、
 と呼ばれたりしますが。



■ただし、これは
 あくまで大企業の戦略であって、

 中小・零細・個人企業が
 そんなことをやっていたら、


 そもそも資本力がないのだから
 早晩、自らの首が絞まって、

 体力が持たずに
 マーケットから退場させられるだけ。



■そうなりたくなければ
 覚悟を決めて

 「中小・零細・個人企業は
  値上げ一択」

 とひたすら唱えながら、


 「どういう状況を作れば、お客さまは
  快く値上げを受け入れて下さるのか」

 という問いを、

 何度でも何度でも回しながらビジネスを
 作り変えていく必要があるのです。



■こうした知的営為と具体的実践を怠り、

 「どうすればもっと安くできるか」

 ばかりを考えていると、

 原価削減のほうにばかり目が向き、
 もちろんそれはそれで重要ですが、

 顧客への価値提供について
 何も考えられなくなるから、


 ゆっくりと、しかし確実に、

 リング(マーケット)の隅へと
 追いやられていき、

 最後はリングに立たせてもらえず、
 退場させられるより他、なくなります。



■もちろん、
 ここまで読まれてもなお

 【私は「安かろう悪かろうへの道」を
  歩む】

 という方がいらっしゃれば、
 それもまた一つの見識です。

 私(鮒谷)がとやかく言うことでは
 ないでしょう。



■しかし

 【私は「高いけれども物は良い」と
  お客さまに言ってもらいたい】

 と思われるのであれば、次に

 「ではどうすれば
  その状況を作り上げられるのか」

 と自らに問う必要があるでしょう。


 そうして仮説検証を繰り返す中で
 その状態を作り上げられれば、

 あなたはビジネスの基盤を
 盤石のものとすることができるはず。




 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!


 【今日のピークパフォーマンス方程式】   ■中小・零細・個人企業の経営者は    究極的には値上げするか、値下げするかの    いずれかしかない。   ■値下げに覚悟は不要だが、自らの首を    じわじわと締め上げることとなる。   ■値上げは覚悟を要求されるが、ハードルを    乗り越えられれば事業は盤石化する。

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