■自尊感情の高低は そのまま幸福感に直結します。 自らを尊ぶ気持ちを きちんと育んでこなかった、 あるいは、 人生のどこかで、誰かに 砕かれたり、破壊されたり、 ということがあれば、 (自覚の有無に関わらず) そこから先、人生を心の底から 楽しむことが著しく困難になります。 ■自尊心が傷んでいる人は 往々にして、 その事実を直視すると更に傷つくので 無意識に避けるようになるから、 傷んでいるのに、痛みに気づかない (気づいていないふりをする) ことすらあるものです。 ■しかし、 心は誤魔化しているだけであると ちゃんと分かっているので、 その痛みはいつまでも 癒えることなく、 治りかけては剥がれ、 治りかけては剥がれ、 を繰り返す、かさぶたのように、 持続的、継続的に 自らの精神を毀損し続けます。 ■この延長線上に、 自信を喪失し、他者の行為や反応に 必要以上に一喜一憂する、 という状態が生まれますが、 それが「常態」となると、 それは精神にエンドレスで ボディーブローを放たれ続けている、 のと同じですから、 ダメージは徐々に累積していきます。 ■もちろん、 なにかの拍子にそこから抜け出せる 可能性はゼロではありませんが、 できることならば、 前倒しで、今すぐ、自らの意思で、 苦しみの世界から抜け出したい、 と思われるのは、 自尊感情の欠如に苦しむ人、 全員に共通する願いだと思われます。 ■そんなネガティブな思いと願望を 誰にも頼らずに (誰にも打ち明けることなく) 自分で解消できる道があるとするならば これほど大きな救いはありません。 ■人生を通して、 毀損された自尊感情に 苦しんだことのない人は、 こうした思いは決して 理解できないと思いますし、 また、少なくとも現時点においては 理解する必要はないかもしれません。 ■そういう 「昔から今に至るまで挫折を知らない、 栄光の道を歩いてきたデキる人」 は、ここから先の文章は 完全スルーでいいのですが、 そうではなく、 ここまでの話を読んで 「チクリ」 とでも痛みを感じたあなたは、 たとえ苦しくとも 人生のどこかの段階で、 ご自身の自尊感情と 正面から向き合う必要があるのでは、 と考えます。 ■ここで突然、 別の話になるのですが 小学校2、3年くらいの頃、 空手を習っていたことがありました。 ■あれは夜7時くらいだったと 思うのですが、 空手道場からの帰り道、 冬だったので、あたりは真っ暗。 自宅までの帰路に 坂道があったのですが、 寒い、寒い、、、と手を擦りながら 坂道を下り始めたとき、 10メートルくらい先に なにかの気配を感じました。 ■と、同時に、 デカい野良犬が ワンワン吠えながら、 全力で私に向かって 突っ込んでくるのです。 ■びっくりした私(鮒谷)は 泣きそうになりながら (いや、実際に 泣いていたかもしれません) 全力で来た道を戻ったのですが、 子どもの脚と、犬の走る速さでは まるで勝負になりません。 ■あっという間に距離を詰めてくる 気配を感じたそのとき、 どこで聞いたか、またそれが 本当なのかどうかも分かりませんが 突如、 「逃げるから追いかけてくる」 という言葉を思い出し、 勇を奮って反転!したのです。 ■今となっては なぜそんなことをしたのかも分からぬ、 とっさの判断だったのですが、 結果オーライ、 バカ犬だったのか、 ワンワン吠えながら、 なぜか私の横をそのまま通り過ぎ、 坂の上まで 走り去っていきました、、、 ■心底、怖かったので、 しばらくの間、 腰が抜けたようになり、 (腰が抜けるというのは 本当の話なんですよね、 小便は漏らしませんでしたが、 本当に腰が抜けました) それはそれは、 今、思い出しても、震えるほど 本当に怖い経験でありました。 ■あのときに、 思い切って反転しなければ、 つまりそのまま逃げ続けたら、 どうなっていただろうと 振り返って考えることがあるのです。 ■おそらくですが、 「目標(ターゲット)が動いている」 わけですから、 犬の興奮をさらに掻き立てる 結果につながり、 そのままケツやら脚やら腕やらに かぶりつかれていたのでは、 とも思われます。 ■あとになって、 せっかくのこの体験を、 自分のために教訓化しておこう、 ということで いろいろ考えているうちに、 この経験は 【怖いものと出会ったときには 逃げずに反転して、向き合え】 という、 私(鮒谷)なりの 意思決定基準(行動規範)、 として結晶化され、 確立されました。 ■実際のところは 「立ち止まらず、逃げたところで 同じ結果になっていた」 可能性も もちろんあるわけですが、 そんなことは私(鮒谷)にとって もはやどうでもいい話。 ■よく言われる、 「困難に出会ったら立ち向かえ」 という、 確かにそうかもしれないけれども 無機質で感情の動かぬ、 「こうすべき」 といった論ではなく、 【強い臨場感を伴う現実の経験と 紐付けられることで、 強烈な行動誘発を もたらしてくれる教訓】 として、 私の内に格納されたものなので、 より強固な意思決定ができる ようになったのが何よりの収穫です。 ■以降、 恐怖心をかきたてられたり、 逃げ出したくなることがあっても、 このときのことを思い出しては 意思決定基準を発動し、 目を背け、逃げたくなる対象と 正面から向き合うようになりました。 ■考えてみれば、 こうした習慣を 身につけることによって、 一つ一つの問題に逃げるのではなく、 対峙する選択を取れるようになり、 課題を解決すれば、そのたびに 【各種の軛(くびき)から 自由になれる】 という快楽経験を 重ねられるようになった (=困難を快楽に転換する術を 身につけた) のですから、 今となっては、あの犬には 感謝の思いしかありません。 ■長々と昔の話をしてしまいましたが、 ここで登場させた 「私を追いかけてきた犬」 を、あなたにとっての 「ご自身の自尊感情」 と置き換えて 考えてみたらどうでしょう、 と提案したいのです。 ■つまり、 傷ついた自尊心に気づきたくないし、 見れば見るほど苦しくなる、 だから逃げようとする、 それが一般的な反応だと 思われますが、 そこで勇気を出して反転し、 「痛めつけられた自尊感情」 と逃げずに向き合い、 その上書きをすることによって 克服する、 そんな道を歩むという方法も あるのではないでしょうか、 とお伝えしたいのです。 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■苦しいことから逃げると、 ますます追いかけられ、苦しみが増す。 ■自らを苦しめる原因と正面から向き合い、 課題を乗り越えることによって、 はじめて問題についての抜本的、本質的、 完全的解決が成し遂げられる。 ■問題から逃げようとするほど 追いかけられることになるが、 勇を奮って向き合うことで克服できれば、 生涯、その問題から自由になれるのだ。 ■自らを苦しめ続けてきた課題と対峙する、 そんな決意、決断を今、下すか否かは、 人生における長期的幸福感を 左右することとなる大問題なのである。
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6226号 空手道場からの帰り道、デカい犬に追いかけられて腰が抜けた話
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