■その昔、土光敏夫さんという方が いらっしゃいました。 一時期は毎日のように 新聞に登場されていた方ですので、 ある年代より上の方は ご記憶にあるのではないでしょうか。 ■石川島播磨の社長、東芝の社長、会長、 そして経団連会長、 さらに臨時行政調査会(臨調)の 会長を務められた方。 詳しく知りたい方は、 ウィキペディア等で 調べて頂ければと思いますが、 その質素倹約ぶりは つとに有名で 「メザシの土光さん」 として知られていました。 ■新聞好きだった 父の影響を受けて、 子どもの頃から (お行儀の悪いことには) 新聞を読みながらご飯を食べる、 という習慣が 身についてしまいましたが、 その当時の頻出登場人物が、 田中(角栄)さん、 中曽根さん、土光さん、 でありました。 ■中曽根さんといえば臨調、 臨調といえば土光さん、 そして土光さんといえば 質素倹約。 そんなイメージ。 ■以下、ウィキに載っていた エピソード。 ▼戦後1回も床屋へ行ったことがなく、 自宅で息子にやってもらう。 ▼穴とつぎはぎだらけの帽子。 ▼戦前から50年以上使用しているブラシ。 ▼妻に「汚いから捨てたらどう?」と 言われた使い古しの歯磨き用コップ。 ▼農作業用のズボンのベルト代わりに 使えなくなったネクタイ。 そして ▼とりわけインパクトが大きかったのは、 妻と2人きりで摂る夕食の風景であった。 メニューはメザシに菜っ葉・味噌汁と 軟らかく炊いた玄米。 これが「メザシの土光さん」の イメージを定着させた。 こうしたエピソードが 肯定的文脈で語られていたので、 私(鮒谷)もまた 「質素倹約=美徳」 と土光さんの人生(物語)とともに 知らず識らずのうちに、 インストールされていたのかも しれません。 ■こうした物語を素晴らしい、素敵、 美しい、格好いい、 と感じるようになると、 豪奢な生活に憧れることは なくなりますし、 そうした生活を過ごしている人を 羨ましいと思うこともなくなります。 ■気がついたら、 (土光さんほどではないかも しれませんが) そんな傾向の物語に惹かれ、 そんな傾向の人生を歩む、 こととなりました。 ■そういう意味では、 (自分でいうのもなんですが) 「比較的、重心の低い (生活上も心理上も安定感のある)」 生活ができているようにも 思います。 ■ここまで書いて、 またいろいろと思い出したのですが、 幼少期から今に至るまで、 数多くの自伝に触れてきましたが、 自伝を書いている人の中で 少なからぬ割合の人が 「実家の破産や没落の経験を リアルに経験し、語っている」 と認識するようになったことも 「虚栄的な消費」 を私(鮒谷)が忌避するようになった 理由の一つかもしれません。 ■私たちが思っている以上に 「栄枯盛衰は激しい」 「盛者必衰の理は本当」 であることを、 大量の事例を通して、学ばせて もらったということになりますね。 ■たとえば長らく(最低10年以上)、 日経新聞の 『私の履歴書』 を愛読してこられた方であれば 必ず、 「調子に乗っては破滅する」 という一つの類型の存在を 「パターン認識」 できているはずです。 ■戦前は相場、 戦後すぐは農地改革、 その後の高度成長期には 商売がうまく行き過ぎて、 調子に乗ってすっ転ぶ。 ※農地改革は、調子に乗って、 とは異なりますが、、、 ■あとは政治的な大転換 (スターリン暴落、ニクソンショックや オイルショック等)、 その他、天災、火事や、 事業環境の変化、側近の裏切り等もあり、 「うまくいって、そのまま つつがなく生を全うする」 ことがいかに難しいかは、 たくさんの自伝を通して 骨の髄まで叩き込まれました。 ■ちなみにいうと、 私の父方、母方いずれも 「没落経験あり」 の家系であり、 母方は相場で失敗、 父方も不動産持ちだったけれども 父の代には(一部を残して)、 なんやらかんやらで亡失。 そして父も 「信用取引&ニクソンショック」 のコンボで一時期は(以下略)。 ■そんな話を聞かされてきたのも 「栄枯盛衰は激しい」 「盛者必衰の理は本当」 の物語が強化される一つのきっかけと なっているのかもしれません。 ■さらにいうと、 特に中学・高校時代に私(鮒谷)が 好んで触れてきた書籍は、 明治・大正・昭和初期から40年代くらいに かけてのそれであったので、まだ 「質実剛健を良しとする風潮」 があったのが (個人的には)幸いでありました。 ■バブル時代に差し掛かる昭和後期から 平成中期くらいまでは 「顕示的、あるいは虚栄的消費」 が各種メディアでも 礼賛されるようになりましたが、 ガキの頃から、 そうした消費を愚かだと見なす 「物語」に染まっていたので、 それらに見向きもしないし、 羨ましいとも思わない。 むしろ、そうしたものを追いかける 人たちを見て 「そのうち没落するであろう、 気の毒な人」 くらいに思うようになって おりました。 (それがいいのか悪いのかは 分かりませんが) ■私(鮒谷)のど真ん中には こうした「物語」が貫かれていたので、 メルマガ創刊以来、 訴え続けてきた 【極小リスクミドルリターン】 の思想は昨日、今日、 生まれたものではない、 筋金入りの信念であることが お分かり頂けるかと思います。 ■ごく大雑把に言うならば、 時代背景と個人の認識としては、 昭和後期以降 「質素倹約、質実剛健系」 と 「バブル万歳系」 が目指す生活についての 二大潮流がありました。 ■急いで補足しておくと、 昭和中盤くらいまでの前者、 バブルから平成中期にかけての後者、 のあと、 平成後期からは、 再び10代、20代を中心に、 (昭和時代のそれとは、また少し 趣は異なりますが) 傾向としては、 再び前者に寄りつつある、 そんなふうにも思われます。 ■それはさておき、 自覚があるかどうかは ともかくとして 私なら私の、 あなたならあなたの、 「自分が生きている物語」 が確実にあるわけですね。 ■そして、ほとんどは 忘れてしまってはいますが、 普段、認識にも載っていないけれども 影響を受けた人物、 が必ずあるものです。 (こうして記述することで初めて 思い起こされることが多いもの) ■私(鮒谷)でいうならば、 土光さんであったり、 特に、幼少期から中高時代に読んだ (すなわち明治から昭和中期までに 著された) 書籍の登場人物であったりから、 無意識レベルで 多大な影響を受けていた、 ということになりそうです。 ■人生のある時点で、 こうした無自覚に取り入れ、 生きてきた「物語」について、 一つ一つ精査し、吟味し、 良いと思われるエッセンスは残し、 変えたほうが良さそうなものは変更し、 【自分オリジナルの、理想の物語を編み、 その物語に従って生きていく】 ことを意識すると、 意思決定に一貫性が生まれ、 ブレずに自信を持って生きていく、 ことができるようになるでしょう。 ■もちろん、そんな 【自分固有の、内的な物語】 は一朝一夕に編めるものでは ありませんが、 しかし、そうした取り組みを 重ねていくと、必ずや 【充足感、安心感、自信、自尊心、 といった感情を伴う幸福感】 がどんどん増していくことと なるはずです。 (私(鮒谷)はまさに、 そんな軌跡を歩んできました。 なので今は、昔(特に起業前)と比べて 極めて情緒(?)が安定しています) ■そんな、時代に流されぬ、 【自分固有の、内的な物語】 を確立していると、 どんな精神で毎日を 生きていけるようになるのか、 あるいは、 そうした物語はどのようにして 編んでいけばよいのか、 について、 この程度の短い文章で、とても 語り尽くせるものではありません。 ■とはいえ もう一つ、 間違いなく言えることは、 時代にただ、 流されて生きるのではなく、 自問自答を繰り返しつつ、 ベストな解(物語)を確立する、 こうして編んだ一つの物語に 従っていきていくと、 一貫性が生まれる、すなわち 自己の内に矛盾がなくなるから、 ストレスもなくなり、 結果として 「影響の輪」 を自分の外にまで 広げていけるようになるということ。 ■たとえば、 私(鮒谷)であれば 上に記した通り 【極小リスクミドルリターンの精神】 ならびに、 それに付随して 【知る人ぞ知る存在でいたい (知られたくない人には むしろ知られないままでいたい)】 つまり、 誰もが知る有名にはならないし、 著名人を目指しもしない、 そんな世界を 目指して生きてきました。 ■なぜなら有名になると、 それだけ気苦労が生まれるし、 その分だけリスクも増大するし、 有名になってから 再び無名になろうとしても、 できなくはないけれども困難、 ある意味で不可逆的、 だからです。 ■また、 一度ちやほやされる経験をすると、 そこから退いたときに (そのときは、いつか必ず来るものです) そのときの栄光を思い出すより他、 幸せを感じられないもの、 そうした惨めな姿を告白する 幾人もの「自伝」にも触れてきて 「パターン認識」 されているから 「有名になるのは 不幸の始まり」 くらいに思っています。 ■そうした考えゆえの 【極小リスクミドルリターンの精神】 であったり 【知る人ぞ知る存在でいたい (知られたくない人には むしろ知られないままでいたい)】 と考えているのですが、 こうした首尾一貫した 生き方をしていると、それを見て 「こうした生き方もアリだな」 と思ってくださる方も (少数ながらですが) 現れてこられるもの。 ■こうした順番 (すなわち、まず自分の物語を生き、 次にその物語に共鳴下さる方が現れる) だと、 自分は何にも取り繕う必要がなく、 ありのままに生きていて、 背中をお見せするだけで、 何かを語れる人になっていた、 という状態になるでしょう。 ■さらにその延長線上に 私(鮒谷)であれば、 「本物である」 「圧巻の存在である」 「類まれなる言葉の使い手である」 そんな物語を生きようとする 強い意思や信念があるのです。 ■もちろん、今、 そのようになっているかどうか、 などは関係ありません。 大事なのはそういう人生を 送りたいと強く願うこと。 こうすることで、 少なくとも現状よりも、毎日、 ほんの少しづつでもより良くなろう、 そんな原動力も 湧いてくるものです。 ■こうした 【自分固有の、内的な物語(信念とも)】 を持つことなく、 たとえば知識とかノウハウとか スキルをひたすら収集したところで、 どんな存在でありたい、 という目標が明確でなく、 その道のり(物語)についても なんらのイメージも持っていなければ、 学びに力も入らないし、 一向に気づきも生まれないし、 漫然と惰性で生きるより他、 仕方なくなるわけです。 ■だから目標が大事であり、 その道中、いろんなトラブルもあるし、 紆余曲折を経験することになるので、 そうした困難をどのように考え、 歩むかという 「物語」 を明確にしなければなりません、 ■こうして、 日々、目指す地点と 現在地点を埋めるための方策について、 仮説を立てては検証し、 仮説を立てては検証し、 を日記(より正確には時々刻々の記)の 記述を繰り返すことを経て、 満足度や幸福感の高い人生を 過ごせるのではないか、 そんな(これまた仮説)を立てて 生きてきました。 ■おかげさまでというべきか、 この20年近くは、 満足度や充足感は高まる一方で、 幸せな毎日を 過ごさせてもらえています。 いうまでもありませんが、 それは決して 「物質的な豊かさ」 のみから来るものではありません。 ■こうした毎日を過ごすための、 必要欠くべからざるパーツして 「物語思考(で生きていく姿勢)」 があるのは、もう間違いないことと 思っているのです。 同じように、毎日を機嫌よく 生きている人たちは皆、 自分の価値観や性格や 強みや特性によって、 自身の物語をどのように描くかについて 明確な像を持っているものです。 これに例外はありません。 ■こんな風に生きていきたい! という強い欲求は、 感情を突き動かす、自身の物語から 生まれてくるわけであり、 そんな物語なく、力強い人生を 歩むことができないのは当然のこと、 と思われないでしょうか。 ■そんな物語の、 まずは「雛形」でいいので、 それをいかにして収集するか、 そして、 自分の文脈に組み込んでいくか、 さらには、 人を巻き込む物語の作り方、 について、自在に放談しているのが 「物語音源」となります。 ■この音源は、 目標設定音源、 日記放談会音源、 とセットでその価値が 最大化されるように設計しているので、 単体では効果は半減以下になるとは 思いますが、 それらを取り揃え、 腹落ちして頂いたとき、 おおげさにいうならば あなたの人生に一筋の光明が 見いだされることでしょう。 ■実際に、 それぞれの音源をお聴き下さった お客さまからは、 何度もそのような話を お聞きしてきました。 この機会にぜひ、 お求めくださいませ。 ■以上に記してきたような 「物語についての理解」 についてのヒントとなるであろう、 音源を以下にご用意しております。 -------------------------------- 【鮒谷周史の「圧巻!『物語』を 自在に操れる者だけが、人生を 思い通りに生きられる」放談会音源】 https://shinkaron.buyshop.jp/items/6536488 -------------------------------- また、 「これは!」 と思った人からの、 物語の取り入れ方についてのヒントは、 以下の「守破離」について 語っている音源も参考にして下さい。 -------------------------------- 【鮒谷周史の 「圧巻!題名のない放談会(質疑応答編)」 https://shinkaron.buyshop.jp/items/16795552 -------------------------------- ※セットで聴くと、 さらに「効く」に違いありません。 (別々に聴くよりもセットで聴くと 4倍の効果※当社比) 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■人間、知らぬ間に自分なりの 「固有の物語」を編んでいるもの。 ■その物語にエラーがあると、 首尾一貫した行動が取れなかったり、 やればやるほど幸せから遠ざかる。 ■機嫌良く生きるためには物語を補正して、 価値観に合致し、一貫性を持って矛盾なく それゆえ力強く生きられる、 そんな新たな物語を編むべきだ。 ■目標を設定し、 日記によって日常を振り返り、 さらに目標と日常の行動を接続する、 かくあるべしという「物語」を編む、 これによって目標から時々刻々の行動まで が一気通貫で接続され、 自信と喜びと満足と幸福感をもって 毎日を生きられるようになるだろう。
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6045号 「質実剛健、質素倹約」が鮒谷の物語となった経緯を初公開
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