■これまでも記してきましたが 「自分の物語」 を持っていると、 意思決定が容易になります。 ■たとえば私(鮒谷)であれば、 何が起きても生き残る、 生き延びる、 自分をそんな物語の 「主人公」 に見立てていれば、 自ずから意思決定基準が 明確化されることとなります。 ■この物語を生きているからこそ、 良からぬ予兆を感じたときに 一瞬の躊躇もなく 「過剰なくらいに臆病になり、 即断即決で 最善と思われる行動をとる」 という意思決定基準に従い、 速やかに行動に移せます。 ■ちなみに、この判断基準は 「何が起きても生き残る、 生き延びる」 ためには正常化バイアスの罠に はまってはならない、 と数多の危機管理の書籍から 学んだこと。 ■たとえば、 一昨年(2018年)の秋に 配信した下記の号 【備えておきたい人と、 不意打ちを食らってもいい人と】 においては、 ウィキペディアの下記項目を引用し、 詳細に危機管理について語りました。 (ウィキペディア引用、ここから) ---------------------------------------- 正常性バイアス(せいじょうせいバイアス、 英: Normalcy bias)とは、認知バイアスの一種。 社会心理学、災害心理学などで 使用されている心理学用語で、 自分にとって都合の悪い情報を無視したり、 過小評価したりしてしまう人の特性のこと。 自然災害や火事、事故、事件などと いった自分にとって何らかの被害が 予想される状況下にあっても、 それを正常な日常生活の延長上の 出来事として捉えてしまい、 都合の悪い情報を無視したり、 「自分は大丈夫」 「今回は大丈夫」 「まだ大丈夫」 などと過小評価するなどして、 逃げ遅れの原因となる。 「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」 とも言う。 ---------------------------------------- (ここまで) ■この号で、私(鮒谷)は 以下のような文章を記しました。 (ここから) -------------------------------- 結果として、 その場にいる人全員が下した 「動かないという意思決定」 が期せずして、巨大な同調圧力を生み、 大規模な災害につながった、 ということが、 往々にしてあるのです。 -------------------------------- 何度でも繰り返しますが、 準備していて 「空振りになる」 分にはいいのです。 備えた労力(時間やコスト)が 失われるだけで済むからです。 最悪なのは 「どうせ、いつものように 空振りになるだろうから準備しない」 と思っていたときに、 大きな災害に遭遇すること。 -------------------------------- なので、少しでも危険かも、と思ったら、 周囲の反応に惑わされることなく、 たとえ自分一人でも逃げる決断を下し、 実際に行動に移すことが大事です。 -------------------------------- 他人が何の心配もすることなく、 結果として動いていなくとも、 少しでも危ない気配を感じたら、 笑われようが、バカにされようが、 なにが起きても良いように 率先して動き、備えておく。 そんな心構えと実践こそが、 「なにがあっても生き残る道」 を私たちに切り開いてくれるのでは ないかと思うのです。 -------------------------------- といったことを強調しています。 ■それもこれも 「何が起きても生き残る、 生き延びる」 という物語の主人公として、 自らを位置づけているところから 生まれた意思決定の基準。 ■つまり 「一貫性を持った 無数の意思決定基準」 は、 自分がどんな物語の 主人公として歩みたいか、 という明確、 かつ、強い思いがまずあって、 それに紐付けられる形で 生まれてくるものです。 ■反対に、 「自己の物語(の形)」を 意識して生きていない人は、 「他者の生きている物語と、 そこから生まれた意思決定基準」 つまり 「自分の文脈とは異なるところから 生まれてきた意思決定基準」 に触れては、いちいち 心がフラフラするものです。 ■たちの悪いことには、 こうした状態にある人は 「Aさんの生きている物語と そこから生まれた意思決定基準」 と 「Bさんの生きている物語と そこから生まれた意思決定基準」 と 「Cさんの生きている物語と そこから生まれた意思決定基準」 と 「Dさんの生きている物語と そこから生まれた意思決定基準」 に同時期に触れると、 いちいち言っていることは ごもっともに聞こえるけれども、 よくよく突き詰めて考えてみると 実はそれぞれが矛盾していて混乱する、 といったことが 往々にしてあるものです。 ■たとえば、 「人付き合いを大事にしましょう」 と言って、うまくいっているように 見える人がある一方で、 「孤独になることが大事」 と言って、うまくいっているように 見える人もあります。 ■あるいは 「他者には強く主張していかないと この世の中は渡っていけない」 と言って、うまくいっているように 見える人がある一方で、 「自己主張をせず、 協調性を重んじなければならない」 と言って、うまくいっているように 見える人もあります。 ■本の読み方一つをとっても 「速読っしょ! (熟読とかバカでしょ)」 と言って、うまくいっているように 見える人がある一方で、 「精読、熟読っしょ! (速読とかで本、読めるのかよ)」 と言って、うまくいっているように 見える人もあります。 ■いろいろ考えていると どっちやねん! という風にも思われるかも しれませんね。 でもどっちも本当なのです。 どっちも真実なのです。 語っている当人にとっては。 ■自らの意見や主張がある人は、 一人ひとり 「こんな人生を生きたい (こんな物語の主人公になりたい)」 と思って、 自分の物語に最適化させるためには どんな意思決定基準が必要か、 試行錯誤を繰り返し、それらを 必死で編んできたはずです。 ■ようやくそれぞれの基準に 一貫性を持たせられるようになり、 それによって成果を出せるようにも なったので確信を持って伝えている、 というだけの話だから、 当人にとっては いずれも真実なのです。 ■しかし、 こうしたメカニズムを理解せず、 ただ、それぞれの基準を一方的に 聞かされている立場からすると、 たくさんの情報に触れるたび、 矛盾と混乱が拡大し、 「一体、どっちやねん!!」 と叫びだしたくなったり、 放り出したくなるのです。 ■そんな人は、まず 「各人の理想の物語に 最適化された意思決定基準」 があり、 それらを単体で見たときには なるほどと思えたことも、 複数の人の、複数の基準に 触れると矛盾に気づく、 といったことが生じても 何ら不思議ではない、 という構造を理解する必要が あるでしょう。 ■人付き合いが好きで 人付き合いに適性のある人は 「人付き合いを肯定的に捉えた 理想の物語を編み、 その結果、そうした方向の 意思決定基準を提示する」 わけですし、 自己主張が強く、 押し出しの効く人は 「強い自己主張を肯定的に捉えた 理想の物語を編み、 その結果、そうした方向の 意思決定基準を提示する」 わけです。 ■また、 人生に過度の効率性や合理性を 求める人は 「効率性、合理性を肯定的に捉えた 理想の物語を編み、 その結果、そうした方向の 意思決定基準を提示する」 つまり、その結果として 「速読をお勧めする」 と言ったりすることもあるでしょう。 ■反対に、 人生においては非効率性も 大事にしたい、 という人は、 速読よりも、むしろ、これは!と 思う書籍を、 ゆったり、優雅に熟読している、 そんな雰囲気や空気感から 「精読、熟読をこそ勧める」 と言ったりもするわけです。 ■外から見ていると困惑することでも、 当人にとっては (どちらが正しいかではなく) 「自分が語っていることこそ 真実」 と思うようになるのは、 以上の理由から。 ■だから、 他者の意思決定基準を 輸入するにしても、その前に 「そもそも、私はどんな物語を 生きていきたいんだっけ?」 という理想像を 明確化しておくべきだし、 そうした考えなしに、 あの人は有名だから、 あの人はカネ稼いでいるから、 などの(表面的な理由で) 他者の意思決定基準を 安易に導入しようとしても、 混乱が混乱を呼ぶだけです。 ■そうなる前に、まずは (岡本太郎の 『自分の中に毒を持て』 風に言うならば) 「自分の中に物語を持て」 ということですね。 ■自分の物語も 確立されていないのに、 いろんな人の意思決定基準を あれこれ渉猟しても、 「意思決定の股裂き状態」 が起こるだけです。 ■なるほど、それは分かった。 でも、あなたが今、どんな物語を 生きるかなんて簡単に分からない、 でも、学びは進めていきたい、 行動していきたい、 そんな思いを 持たれるのであるならば、 次善の策として、 自分の性質、性格、価値観、強みに 近い、と思われる人と出会い、 その人の意思決定基準を 「まるごとコピー」 するつもりで、 接すると良いでしょう。 ■この場合は、 「ある特定の一個人の物語」 ならびに 「それに紐づく、一貫性のある 大量の意思決定基準群」 を一切の矛盾なく まるごとインストールできるので、 異常なまでに 学習効率が上がるのです。 ■私(鮒谷)は、 十数年の長きにわたって 弁護士の高井伸夫先生の 「物語&意思決定基準群」 をひたすらに インストールすることで、 「超高速で、 一つの結果を出せる『型』」 を手に入れさせて頂くことが できました。 ■これが、 いろんな人からの、 それぞれに矛盾する基準に、 バラバラと触れ、 あっちへフラフラ、 こっちへフラフラ、 となっていれば、 間違いなく、 混沌の海に叩き込まれて、 そこから浮かび上がることは できなかったに違いありません。 ■そんな風にならぬためにも、 とくに初学者においては 「(守破離の)守」 が決定的に大事です。 ■そして、ここが決定的に 大切なところとなりますので、 繰り返し述べますが、 「『守』の対象者とすべき人」 は、 自分の性質、性格、価値観、 強みに近い人、 すなわち、自分がこれから 編んでいくであろう物語と、 近い物語を生きている人で あるべきです。 ■そうした物語を生きている 人だからこそ素直に学べます。 素直に学ぶ気になれない人からは いくらコンテンツがよくても 「(守破離の)守」 を全うすることはできません。 ここにも一つの教育の難しさが ありますね。 ■ここまでに記したことから 【物語(の原型)が共有されている 人を模倣対象者とせよ】 【守破離の「守」の対象者は (ただ、成果を出しているから、 といった理由ではなく) その人の生きている物語に 共感、共鳴できる人であるべき】 という、 学びのおける結論が 導き出されることとなるでしょう。 ■つまり、 【学び、成長、守破離といった 世界における中心的概念、 それが「物語」である】 ということですね。 ■とはいえ、 ここまでで記したことは まだまだ序論であり、 「物語」についての、より深い 内容をご理解頂くためには -------------------------------- 【鮒谷周史の「圧巻!『物語』を 自在に操れる者だけが、人生を 思い通りに生きられる」放談会音源】 https://shinkaron.buyshop.jp/items/6536488 -------------------------------- そして「守破離」については -------------------------------- 【鮒谷周史の 「圧巻!題名のない放談会(質疑応答編)」 https://shinkaron.buyshop.jp/items/16795552 -------------------------------- をお聴き頂かなければなりません。 ■、、、ここまでの話は あくまで一例に過ぎませんが、 私(鮒谷)が、私なりに 「人生を機嫌よく 生きていくための物語を、 自在に編み換える 実証済みの方法」 について徹底放談した音源が ございますので、 もし、ここまでの話を読み、 ご興味をお持ちくださいましたら、 ぜひ聴いてみて下さい。 ■人生に対する解釈や向き合い方が変わる、 毎日が楽しくなった、 等々、大勢の方がおっしゃって下さった 音源となります。 ※この難局を乗り切るための 「元気の源」 を手に入れるべく、 お求めくださいませ。 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■成果を出すためには 「意思決定基準そのもののインストール」 よりも先に、まずは自分の物語を確立する ことである。 ■それには時間がかかる、今すぐは難しい、 でも学びたい、動きたい、という人は、 次善の策として、自分の価値観、強み、 性格、特性に近い(=今後、編む物語に 近いと思われる物語を生きている)、 そんな人を探し出し、師事し、 「物語と、それに紐づく相互に矛盾のない 大量の意思決定基準のインストール」 を心がけると良いだろう。 それを素直に行える人であれば、劇的に 学習効率が高まることとなる。 ■これが正しい意味での「守破離」であり、 方法論ばかりを追いかけていても、 いつまで経っても、本質を捉えられず、 枝葉を追いかけ続けるだけの人となる、 のではないだろうか。 ■素直にこの人から学ぼうと思える人と 出会えれば、 その出会いが一生の財産となるのは、 こうした理由からである。
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6042号 意思決定基準のインストールより先に行うべき「物語の確立」
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