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5925号 鮒谷が70代以降の方が記される自伝に惹かれる理由とは


■自伝マニアの私としては、

 今日から始まった
 TDK元会長の澤部肇さんの、

 これからの連載はとても楽しみ。



■どういうわけか昔から
 (それこそ20代半ばの頃から)、

 大きな関心を持たずには
 いられなかったテーマの一つに

 「老境を迎えたときの心持ち」

 があります。


 (だから『私の履歴書』が好きなのだと
  今、これを書いていて気づきました。

  登場するほとんどの方が70代か80代、

  最近はゴーンさんとか
  岡本綾子さんとか、

  若い(といっても60代)の方が登場する
  ことも増えてきたように感じますが)



■好きが嵩じて、古書店で全集まで
 手に入れてしまった『私の履歴書』も含め、

 現役世代の
 自伝(やインタビュー記事)よりも、

 むしろ一線を退かれた方の
 それを好んで読んできたものです。



■ただ、

 どうも本音が吐露されていない
 (弱みの部分が告白されていない)

 ように感じられることも多く、


 不満、とまではいわぬまでも、

 知りたい、読みたいのは
 そこじゃないのだけれども、、、

 とも思ってきました。



■もちろん、

 自伝やインタビュー等で、自らの
 履歴を振り返る機会を得る人は、

 昔から陽のあたる場所を
 歩き続けた方が多く、


 必然、過去の栄光を振り返り、
 誇りたいことを誇りがちであり、

 弱みを素直に認めることは難しいので
 あろうと想像いたします。

 (私はいまだ、そうした年齢に
  至っているわけではないので、
  あくまで勝手な解釈ですが)



■しかしいずれ、

 私も含めて皆、年老いていき、それは
 また逃れがたい運命でもあるわけで、


 とするならば、

 今の時点の私には知るよしもない

 「老いを重ねることによってしか
  感受されぬ、取り繕われていない、
  率直なところの心情」

 をどうしても知りたい、
 と思ってしまうのも、また人情。



■ある年代に至ったとき、
 どんな心境になるのか、

 その傾向やパターンについて
 何十年も前から分かっていれば、

 備えることも
 できるではありませんか。



■そんな思いを持っている中で、

 澤部さんが(下に引用する通り)
 現在の心情を素直に認められ、

 さらに告白するという勇気には、

 偉そうな物言いに
 なってしまうかもしれませんが、

 そのまま人としての強さを
 感じさせられました。



■起伏に富む人生を過ごしてこられ、
 77歳という年齢を迎えられた今、

 これから一ヶ月、
 紙面において、

 どんなことを語っていかれるのか
 楽しみで仕方ありません。


 (以下、一部引用※改行は筆者)
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 ▼TDKの創業メンバーで3代目の社長を
  務めた素野(その)福次郎さんは、

  私が社長をしていた1998年、
  体力が衰え、

  相談役として会社に来るのをやめた
  途端に食事がのどを通らなくなった。


  運転手が気遣って、

  当時日本橋の交差点にあった
  会社の周りをぐるぐる回って

  気持ちを落ち着かせていたそうだ。


 ▼私も似たようなものかもしれない。

  55年間会社にいて、最後は社長、
  会長、相談役を務め、

  今年の4月から私は
  TDKのなんでもなくなった。

  すると、息苦しいのである。


  病院に行くと、30年前のたばこが
  原因だという診断であったが、

  そればかりでないことは
  自分でよく分かる。


 ▼正直に言って、

  いつしか77歳になり、社会的な立場が
  なくなっていくのも寂しいことだ。

  次第に弱くなる
  命の炎への執着であろうか。

  俺はここにいるぞと、
  大きな声を出したい気持ちがする。


  それで気安い後輩たちに、

  経営や仕事のアドバイスなどをして
  うるさがられているのだから

  我ながら滑稽だ。

  会社の周りをぐるぐる回っていただけの
  素野さんのほうが立派である。


 ▼最初はTDKがコンサートの
  スポンサーになったご縁で

  お目にかかれた世界的大スターの
  方々との写真なども載せたいと思ったが、
  やめた。


  少年期の淡く懐かしい恋の記憶も、
  そんなの日記に書けと言われた。

  人の話を謙虚に聞いてみると、

  どうも自分がかっこいいと
  思うことは本当はそうではないらしい。


 ▼ここは頑張って殻を破り、

  かっこつけも妙な執着も排して
  率直に自分の経験を書こうと思う。


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 (ここまで)


 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!


 【今日のピークパフォーマンス方程式】   ■一定の年齢を経られた方が    自らを振り返り記す自伝は、    瞬間風速の人の自伝よりも    趣深いものである。   ■人生の上り下りを経て至る境地は、    いまだその年齢に到達していない者に    とっての、    大いなる道標ともなるだろう。   ■目の前の結果を求める    過剰な圧力に逆らうためにも、    率直な心情が告白なされている自伝を読む    ことは人生の糧となるだろう。

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