■先のメルマガでも書きましたが、 先週から今週火曜日まで、 沖縄に行っておりました。 羽田-沖縄便は、 小さなお子さん&赤ちゃんが 乗っていることが多いのですが、 帰りの飛行機は いつにも増して、 大勢のお子さん&赤ちゃんが 乗っておりました。 ■特に飛行機が下降を始めるとき、 いつものことながらですが、 耳が痛むのでしょうね、 同じタイミングで一斉に 大勢の赤ちゃんが泣き叫びます。 ■私(鮒谷)は昔から、 こちらが求めてもいないのに 向こうから飛び込んでくるタイプの音が、 おそらくは平均的な人よりも 苦手で、 (選挙カーとか、 ○ーニラ ○ニラ ○ーニラ求人とか) の、大きな音に閉口させられる ことが多いです。 ■ところが、こと、 赤ちゃんの泣き声については 不思議と心が平静なまま、 どころか、 むしろ愛おしく、微笑ましく、 「ええんやで、ええんやで、 もっと泣いてもええんやで」 という気持ちすら 湧いてくるのです。 ■これは新幹線であろうが、 他のどんな所であろうが、 つねに揺るがぬ気持ちであり、 条件反射的に生まれてくる感情。 ■そんな気持ちを生み出す原因にまで 思いを致すことはありませんでしたが、 今回、飛行機に乗っているときに 突然、 「ああ、そういうことだったのか」 と分かりました。 ■それは 「子供が安心して泣ける =平和の証」 と私の中で意味づけられていたから でありました。 この連想があるからこそ、 (腹立たしい気持ちになるどころか) こうして子どもが泣いたところで 生命の危険のない今の時代、 平和な時代が有り難い、 という気持ちになるわけです。 ■大げさとお思いでしょうか。 そう思われる方はぜひ、 新田次郎の夫、 藤原正彦さんの母、 である、 藤原ていさんが書かれた 『流れる星は生きている』 を読んでみて下さい。 ■特にお子さんのいらっしゃる、 お父さん、お母さんには ぜひ読んで頂きたい。 そうした方々にお勧めすると、 皆さん、 「紹介してくれてありがとう」 とおっしゃいます(とくにお母さん)。 ■私(鮒谷)の親戚に、 シベリア抑留にあった人がおり、 そのこともあって昔から 満州国建国から滅亡までの歴史、 あるいは、 満州からの引揚者、 シベリア抑留についての書物に、 数多く触れてきましたが、 特に引き揚げの際に、 子の泣き声で敵に見つからぬよう、 泣く泣く親が我が子を手に掛けた、 という話をたくさん読みました。 ■先に挙げた 『流れる星は生きている』 にも、 逃避行の際に足手まといになった 子どもが殺められた話、 が出てきます。 ※同書の内容については、 Amazonの紹介文を転記いたします。 (ここから) ----------------------- 内容紹介 昭和二十年八月九日、ソ連参戦の夜、 満州新京の観象台官舎-- 夫と引き裂かれた妻と愛児三人の、 言語に絶する脱出行がここから始まった。 敗戦下の悲運に耐えて生き抜いた 一人の女性の、苦難と愛情の厳粛な記録。 戦後空前の大ベストセラーとなり、 夫・新田次郎氏に作家として立つことを 決心させた、壮絶なノンフィクション。 出版社からのコメント 新田次郎氏の妻にして、藤原正彦氏の母で ある者の記した満州からの壮絶な脱出記。 「私の原点はここにある 私の書けない原点である」(藤原正彦氏) ----------------------- (ここまで) ソ連軍を逃れ、命からがらに満州から 日本に帰国するまでを記した物語。 ■沖縄戦においても 同様のことがありました。 ガマ(鍾乳洞のこと、戦争時の 避難場所に使われた)に逃げ込み、 隠れている際に、 赤ん坊の泣き声が敵に聞こえると、 ここにいる 全員の命が危ないから、 という理由での幼児虐殺が あったそう。 ■これまで何度も沖縄に足を運び、 たくさんの戦跡を見る中で、 そんな話に触れることでもまた、 今の時代が いかに平和で恵まれているか、 気付かされたものでした。 ■そんな背景があるからこそ、 (飛行機の中に限らず) 子どもが泣き喚く声に接して、 腹立たしく思う人も あるようですが、 私(鮒谷)自身は、まったく そんな気持ちにはならず、 本当に恵まれた世の中だなあ、 幸せな時代に生きているだなあ、 という思いを強く持ちますし、 それゆえ 「ええんやで、ええんやで、 もっと泣いてもええんやで」 という気持ちにさえなるのです。 この気持ちがどうして生まれるか、 過日の沖縄からの帰り便にて、 突然、言語化されたのでありました。 ■ここで話は大きく変わるのですが、 (この話は一つの象徴的な例かも しれませんが) 私たちは、 多くの物語に触れれば触れるほど、 自分の置かれている状況を 客観的に、そして柔軟に、 捉えられるように思います。 ■自分から他者、 の視点(我見)だけではなく、 他者から自分、 の視点(離見)、 さらには、 その両者を距離をおいて捉える 視点(離見の見)、 を持てるようになるのは、 数多くのストーリーに 触れるところから。 ■蓄積してきた視点が乏しく、 つねに単一の世界認識しか持てない、 そんな人があったとしたら 視点の転換の行いようがないので、 硬直した、たった一つの目線からしか 世界を捉えることはできません。 ■そんな固陋、狭隘な世界観から 自らを解放しようとするならば、 多様な物語(人生)に積極的に 触れる必要がありそうです。 こうして無数の物語をストックする ことによって、 状況に応じて、 最適な世界認識 (幸せを感じる世界認識) を選び取れるようになるのでは ないでしょうか。 ■こうした調整機能を自動化された レベルで働かせられるまでに至れば、 常時、世界認識の調整がなされ、 結果として、 自分の精神が安定したり、 豊かさがもたらされたり、 明日への活力を与えてもらえる ようになるのでは、 と考えたりもいたします。 ■つまり、 多様な物語を持っていることは 生きる力そのものに直結する、 と言えるということです。 ■とするならば、 もし、ここにビジネスに携わり 「ビジネス関連の話題や情報にしか 興味がないし、必要もない」 という人があるとするならば、 (実際、ときおり、そうした 考えの人にお会いします) こうした考えも 否定はいたしませんし、 短期的には、仕事において成果を 出されることもあるでしょうけれども、 この姿勢は長期的に見て、 人生に向き合うための柔軟性が 毀損されていくのではないか、 と考えています。 ■それゆえ、 しなやかに、精神的安定を 保ちながら生きていくためには、 関心を持って多くの人の人生、生き様に 触れるべきであると思っているし、 個人的にもそのように 努めてきたつもりです。 ■人生において、 過度の合理性とか、合理性とか、 無駄を省くとか、を追求し、 他者の物語(人生)に対する 無関心に向かう生き方は、 時間をかけて、じわじわと 自らの首を締め上げていく、 ような気がしてなりません。 ■こんな話も含め、 年間プログラムにおいては、 「機嫌よく人生を生き、 調子よく仕事を展開するために、 役立つと思われる、実証済みの 数々の意思決定基準」 について毎月1度、 11時間にわたってお伝えしています。 (毎回、メルマガでお伝えしている 一ヶ月分の情報量の100倍程度の、 質・量のコンテンツを大量投下し、 脳の変容と行動変化を促します) ----------------------- <年間プログラム(会場版)の お申し込みはこちらから> https://eipo.jp/2nd-stage/seminars/view/21 <年間プログラム(音源版)の お申し込みはこちらから> https://eipo.jp/2nd-stage/seminars/view/13630 ----------------------- ※分割払いを希望される方は ご相談下さい。 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■他者の多様な経験に触れるからこそ、 一つの事象に対して、柔軟なものの捉え方 ができるようになる。 ■過度に合理性、効率性を追求し、様々な。 生身の人間の生き様に無関心になれば、 多様な解釈を行う土壌が痩せていき、 頑固で硬直し、柔軟性の失われた、 世界認識しかできなくなるのではないか。 ■長い目でみると、 こうした姿勢は自らの不幸を招き入れる (幸福を感じられない体質がもたらされる) ような気がするが、いかがだろう。
毎日20万人が読んでいるビジネスコラム 平成進化論
日本最大級・毎日20万人が読んでいるビジネスメルマガ
「平成進化論」のバックナンバーをご紹介しています。
5916号 鮒谷が子の泣き声に「もっと泣いてもええんやで」と思うに至った背景とは
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
カテゴリ:
バックナンバー カテゴリ一覧
ピークパフォーマンス方程式
- アイデア (847)
- コミュニケーション (727)
- セールス (610)
- パーソナルマーケティング (480)
- ビジネスIT・ツール (346)
- ビジネスマインド (1466)
- プロフェッショナル (711)
- マーケティング (322)
- レストラン・ホテル紹介 (6)
- 一般教養・雑学 (573)
- 人的ネットワーク (574)
- 仕事術 (690)
- 会食・交友録 (26)
- 名言・箴言・格言・金言 (268)
- 学習法 (752)
- 情報発信 (684)
- 情報社会 (337)
- 意思決定 (665)
- 投資 (434)
- 時流 (365)
- 書籍・雑誌紹介 (427)
- 歴史・人物に学ぶ (783)
- 海外 (65)
- 独立起業 (407)
- 環境 (583)
- 生き方・キャリア (1713)
- 目標達成 (832)
- 経営 (533)
- 習慣 (1180)
- 自己成長・変革 (1773)
- 自著紹介 (17)
- 長期的視点 (748)