■昨日は 「アンコール・ワットに 一人で行ってみた」 という内容で、 (特に経営者や個人事業主に 向けて) 一定期間の、日常生活からの 離脱を繰り返すことで、 自ずから仕事や生活のシステムの 改善が図られる、 そんな話をいたしました。 ■たとえば、 一ヶ月とまでは言わなくとも 一週間程度、 現場を離れて、 生活や仕事が成り立つか、 試してみると良いでしょう。 ■それが難しければ、 ほんの数日程度、 からでも大丈夫です。 こうした繰り返しによって、 生活・仕事上のシステムに、普段は かからないであろう負荷をかけると、 どこに弱点があるかが 分かるようになります。 ■その箇所を改善することによって 「ちょっとやそっとの負荷では 崩れぬ盤石の態勢」 を築くことができるようにも なるでしょう。 ■頭の中で考えるのではなく、 実地、シミュレーションすることに よってしか、 分からないことが あるのです。 また、こうした訓練は、 後述の通り 「緊急時対応の事前準備」 ともなるでしょう。 ■昨日のメルマガでも書きましたが、 私(鮒谷)は、 今から十数年前、 友人たちとの 視察&講演のために、 頻繁に海外 (ニューヨーク、ロサンゼルス、ハワイ、 バンクーバー、ロンドン、香港、上海、 台北、シンガポール、バンコク、 ジャカルタ、シドニー、ゴールドコースト等) に行っていました。 ■また、 それとは別に弁護士の 高井伸夫先生について、 これまたかなりの頻度で、 国内外の視察や出張をご一緒させて いただいておりました。 ■さらに、高井先生に 「『無用の用』的な取り組みとして もっと海外に行くべきだ」 と言われて、 上記に加え、他の案件も含めて 「必ず毎月一回、一週間程度、 海外に出る」 ことをほとんど修行のように 自らに課していたのです。 (当時からメルマガを お読み下さっていた方は、 私がしょっちゅう、 海外に行っていたのを、 ご記憶下さっているかと思います) ■海外在住の友人・知人を頼って その国を訪問することもあれば、 海外に行く、という友人に便乗して 一緒にくっついていったり、 海外視察ツアーや海外開催の セミナーに申し込むこともあったし、 さらには、 どうしても、そうした人やツアーが 見つからないときには、 自分で声をかけ、 パーティを組んで、 出撃したものでした。 ■そうした生活を4年ほど繰り返して、 結局、私(鮒谷)自身は 「海外生活にまるで興味ないし、 向いてもいない」 ことが判明したわけですが、 実際にやってみたからこそ、 分かったことでありました。 ■また、 こうした生活を過ごしていると 「現場に張り付かなくても、 仕事が回る状態」 を、どうしたって作る必要に 迫られたものでした。 ■たとえば私(鮒谷)が、 東京に張り付いていなければ 仕事にならない、 という状況にあれば、 日常的に 日本(や東京)を留守にする、 ということは 物理的に不可能です。 ■逆に言えば、 「月に一度、一週間、 海外にいるようにする」 と決めたことによって、 自ずから、 「現場に張り付かなくても、 仕事が回る状態」 を作らざるを得なくなったのです。 ■こうして 必要に迫られての 取り組みによって 「時間と空間の軛(くびき)」 から逃れられるようになり、 それはそのまま、 圧倒的なQOLの改善に つながることとなりました。 ■もとより、はるか以前から 「時間的制約、空間的制約、 人間関係にまつわる制約」 から自らを切り離し、 自由を希求する、 そんな目標設定をしていたので、 そのゴールに近づくための 意思決定と行動を繰り返し、 ある程度までは、 実現させられた、 ということに なるのかもしれません。 ■したがって、 「時間的制約、空間的制約、 人間関係にまつわる制約」 が好きとか、 そうした制約に苦しんだり、 恨んだり、呪ったりすることが、 人間らしく生きることで、 それがいい、 そんな風に考え、 その方向に沿った人生目標を (自覚の有無に関わらず) 立てられている方にとっては、 ここまでの話はまったく 参考にならないと思います。 以上は、余談。 ■話を戻すと、 こうした生活を一定程度まで 実現することができたタイミングで 「3・11」 ならびに、その後の 「原発の爆発」 を迎えることとなりました。 ■このとき、 私(鮒谷)は 東京に住んでいましたが、 原発異変の一報が入った 1時間半後には、 3・11以前から、 緊急対応時を想定して (とはいえ、 主として想定していた危機は 首都圏直下型地震であって、 原発の爆発は想定外でしたが) まとめておいた、 必要最小限の荷物を背負って、 関西方面に向かう 新幹線に乗っておりました。 ■そのときには、 いまだ、原発がどうなっているのか、 放射能がどのように拡散するのか、 などといった情報も まったくなく、 疑心暗鬼が列島を覆っていた 時点での話です。 ■ひとまず、 大阪に一週間くらい滞在し、 いまだ、状況は混沌としていたので、 さらに博多まで移動し、 (その間、某国会議員との対談が 予定として入っていたので、 一度だけ、東京に戻りましたが、 それも数時間でとんぼ返り) 結局、東京に戻ったのは、 4月に入ってからであったと 記憶しています。 ■もちろん、 当社スタッフも、たまたま皆、 東京「以外」の出身であったので、 震災の翌日には、東京を離れて、 それぞれの地元に戻りました。 ■それでもなお、 会社は通常通り、 運営できましたし、 経営危機に陥るようなことも ありませんでしたし、 業務が滞ることによって 誰かに迷惑をかけることも、 一切ありませんでした。 ■つまり、 毎月、海外に行くという生活を 繰り返すことで得られたのは、 業務の効率化や自動化、 ストレスフリーの生活、 といったことのみならず、 BCP (事業継続計画、 Business Continuity Plan) を無意識に意識し、 のみならず、 期せずして、それを実行するための 予行演習となっていた、 ということになりそうです。 ■緊急事態に即時対応できる、 こうした状況を作れていたことは、 後に、他の経営者(や個人)から 大いに評価されましたし、 いつなんどき、何が起きるか 分からない時代だからこそ、 やはり平時から 「転ばぬ先の杖」 を準備しておく必要があるなと、 言われたものでした。 ■ただ、 SNS等を駆使して 原発の状況を追いかけ、 それらの情報に基づき、 悲観的に、最悪の事態が 引き起こったことを想定し、 その時点で 最善を尽くした結果として、 「西(大阪)へ、 さらに西(博多)へ」 移動したことをメルマガで リアルタイム実況中継したことだけは、 今となっては 「配慮がなかった言動であった」 と反省しています。 ■そうしたことを、 (行いたくても) 行えなかった方も、 たくさん いらっしゃったであろうし、 起きてしまったことに対して 対応しようのない方が、 そうした記述をご覧になられれば、 不快に思われることも あったであろうし、 怒りが湧いてきたであろうことも 想像に難くありません。 ■実際に、 この時期は特に、 数多くのご感想を頂戴しましたが、 (賛同、共感、評価の声とともに) 少なくない、 批判や叱責の声も届きました。 ■多くの人の心が揺らぎ続けていた、 そんな時期にあって、 そうした発信の仕方を 取ったことについては、 大いに反省の余地があったと 今では思っています。 ■ただし、 私(鮒谷)が 実際にとった逃避行動、 (即座に西へ行くこと) については、 まったく後悔も反省もしていないし、 あの時期においては、 100点満点の対応であった、 と今でも考えています。 津波てんでんこ、 の話はあとから知りましたが、 まさに同じ発想です。 ■また、 逃避行動を行う以前から (つまり平時のときに)、 さまざまなリスクに 対するシミュレーションを行い、 天変地異が起こったり、 不測の事態に巻き込まれ、 売上げが当面、半減しようが、 あるいはゼロになったとしてさえ、 当面、会社が詰むことはない、 そんな状況を作ろうと 必死で考え、多くの資源を積み上げ、 あらゆる想定に対する 対策を考えていたつもりです。 ■だからこそ、 いざ、事が起こったときに、 パニックに陥ることなく、冷静に、 粛々と危機対応シナリオに準じて、 行動を進めることができました。 ■繰り返しになりますが、 原子力発電所の爆発など まったく想定していませんでしたが、 富士山の噴火は十分に想定し、 準備もしていたので、 そのシナリオに従って、 慌てず、行動できました。 ■またそのための生活費や、 会社の資金繰りも、 まったく問題ありませんでした。 (ちなみに、 噴火&パンデミック対策としては、 全身防護服、ゴーグル、 部屋の目張りのためのガムテープ、 あるいは3Mの医療用マスク、 といったものに至るまで、 現在も、大量備蓄しています) ■緊急事態の勃発時に、 こうした状況を作れていたことに 一ミリたりとも後悔はないし、 これからも、何かあったら 即座に 「津波てんでんこ精神」 を全力で発動するつもりですし、 そのための準備はますます怠りなく、 随時、更新してまいります。 なにをさておいても、 自分と、自分が関わる者の 生命や財産を守るのが最優先である、 と信じているからです。 ■もちろん、 こうした話には 異論、反論がつきものであり、 震災の混乱の最中に、 数多くの(棘、もとい、愛、のある) お言葉を頂戴いたしました。 ■でも私(鮒谷)は、 繰り返しますが、 発信の仕方そのものについて、 顧みるべき点は多々ありますが、 取った行動(と、それ以前に 行ってきた準備)に対しては、 微塵の反省も後悔もありません。 ■特にこうした話は 「有事」 に発信すると、 いろんな化学反応が 生じることとなるものです。 (と、そのときに学習しました) ■それゆえ、 「平時」 の今だからこそ言えることを、 改めて強調して 発信することによって、 たしかにそうだよな、 と思われる方が少しでもあれば、 「転ばぬ先の杖」 の準備を今から始めて みられてはいかがでしょう、 とお伝えしたいのです。 ■そのための準備として (特に中小企業経営者や 個人事業主系の方々は) 「今、働いている現場から 自らを強制的に引き離す」 というテストを行ってみては どうでしょう。 ■これはそのまま、 「危機管理態勢の再考を促す、 格好のトレーニング」 となるはずです。 毎月一度の海外行きが 意図せずして、 「危機管理の準備を促す、 格好のトレーニング」 となっていたことは、 私(鮒谷)も事後的に 知らされたことでありました。 ■そんな経験もあるがゆえに、 今でも、ときに 「一人ぶらっと、どこか遠くに」 を実行し、 自身と自社に負荷をかけ、 それでも特に支障なく、 生活は回るか、 業務に抜け漏れや ミスは発生しないか、 を不定期にテストしています。 (おかげさまで、 先週は3日間、別府に、 先週から今週にかけては4日間、 アンコール・ワットに行きましたが、 (=ストレステストを 実施しましたが) なんの問題もなく、 業務は普段どおり、回りました) 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■特にあなたが中小企業経営者や個人事業主 であるならば、時折、 「一人ぶらっと、どこか遠くに」 を実践し、システムにストレス(負荷)を かけてみると良いだろう。 ■普段では気づけない不具合が露見する こともあるだろうが、 それは改善すべきポイントであり、 危機管理の大切を整えるために、 有効に機能するから喜ぶべき。 ■ぶらっと遠くに、は傍からは遊びに見えた としても、決して遊びではない。 特に現場から離れた、海外での長期休暇は 事業強靭化のための立派な業務である。
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5907号 「一人ぶらっと、どこか遠くに」も立派な業務である
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