■頭の中の整理がつかず、 もやもやとして、 その状態に気持ち悪さを感じて なんとかしたいと思うのなら、 ある程度、まとまった分量の 文章を書くことが効果的。 ■昔と違って、 今はこちらから求めなくても 大量の情報が届けられますから、 量を入力するよりも むしろ、 質の高いインプットの 歩留まりをいかに高めるか、 さらに、 そのインプットをどうやって 人生や生活の質の向上につなげるか、 のほうが、はるか重要に なってきています。 ■たとえていうならば、 昔は、食料がそこまで潤沢には なかったので、 あるものをすべて食べ、 食べたものは全てきれいに消化し、 排泄されていたけれども、 今は、食べても食べても さらに口に食料を突っ込まれ、 にもかかわらず、 消化が追いつかず、 便秘になって排泄もしきれず、 つねにお腹が張って パンパンの状態で気持ち悪い、 と言えるのではないでしょうか。 ■そんな状態にあってもなお、 なんとなく、勉強になった、 という気持ちにさせてくれる 「(波及効果の低い) 有益と思われる情報」 をさらに追加して学ぼうとする 必要はあるのでしょうか、 と問題提起したいのです。 ■既にお腹はいっぱいで、 これ以上は消化も排泄も 間に合わず、 食べても栄養素に変えることも できないのに、 「口寂しいから」 イコール 「お勉強」は 役に立つと信じているから、 という、ただそれだけの理由で、 なお食べようとして、 自分で自分を苦しめている状態、 に少なからぬ人が置かれている のではと思うのです。 ■果たして、 こんな姿が情報過多の時代における 正しい振る舞いといえるでしょうか。 さんざん「お勉強」してきて、 人生や生活に喜びを 覚えられていないのなら、 お勉強の内容や、やり方に 疑問を持つべきなのではないでしょうか。 ■もちろん (以下、比喩的な意味で) 生命活動を維持するため、 「一定の質・量を満たす食事」 を摂ることは大切ですが、 その量をはるかに超えて 食べすぎていることを自覚したら、 摂取ではなく、消化や排泄の側を、 より強く意識すべきだと考えます。 ■インプットを意図的に 「必要十分の、 高品質な一定量までとする」 と決めた上で、 適性な量の入力情報に触れ、 そこでもし、 良い考えやアイデアが浮かんだら、 そこで一歩立ち止まって、 頭の中を整理し、秩序立て、 行動に移すことだけに フォーカスしなければなりません。 ■この「小休止」を行わず、 せっかくの思考やアイデアを 咀嚼することなく、 じゃぶじゃぶと、さらなる新しい (雑多な)情報を入力するから、 整理し、秩序立てる時間も取れず、 頭の中がますますカオス化するのです。 ■人間、 一定時間、起きて活動したら、 必ず睡眠を取り、回復を求めるよう、 身体が自動調整してくれますが、 ことインプットにおいては、 こうした自動調整機構は働かず、 インプット、 さらにインプット、 ますますインプット、 これでもかとインプット、、、 と、 処理能力を超えて、発狂しそうに なるまで入力を続けるから、 消化も排泄も、 整理も整頓も行われず、 脳内がカオス状態となり、 それゆえ方向性も定まらず、 その状態そのものが ストレスとなり、 精神と肉体が蝕まれることと なるのです。 ■その状態を回避する特効薬として、 今、頭の中にあることを、 他者に読んでもらい、 一定の共感や、納得や理解を 得て頂けるくらいの水準で、 文章化して、書き上げることを お勧めいたします。 ■文字数としては、 最低、500ないし600文字から 始めて、 慣れてくれば、 数千文字くらいまで目指したい。 ■500~600文字程度であれば、 具体的な事例を省き、 思考の骨格を記述する (具体性や表現の面は 疎かになりがちだが目を瞑る) 文章執筆の筋トレが行えます。 ■こうしたトレーニングを重ねて、 筋力がついてきて、 やがて3,000文字程度の文章を 苦もなく書けるようになれば、 具体的な出来事を細部にわたり、 触れることもできるのでにまで 「抽象と具体の往還が可能になり (論理構造を作れる)、 さらに表現力のトレーニングも 実現される」 というのが、 私の持っている感覚です。 ■ここまでいくと、 日々の学びや、漠然と感じた思いや、 体験を、 ひとまとまりの経験として 「自身の過去・現在・未来へと つながる文脈」 に編み込めるようになるでしょう。 ■この編み込みの感覚は、 日々の学びや思考や行動に 一切の無駄がなくなり、 さらには一定の秩序のものに 自身の文脈に組み込まれていく、 という成長や整理の喜びが 伴うものなので、 ここにおいて冒頭に記したような、 「頭の中の整理がつかず、 もやもやとして、 その状態に気持ち悪さを感じ、 しかも日々の成長実感もない」 という感覚から脱却できるように なるはずです。 ■こうした文章を書けるようになれば、 毎日、書くことが楽しく、やりがいや 喜びを覚えられるようになります。 この状態に入ったら、 記述した内容を復習しなければ、 みたいな脅迫観念は捨て、 書いた内容を忘れることに対して 自分への許しを与えてみて下さい。 ■忘れてもいいと思っても、 それなりの長文を書くには、 それなりの認知能力が要求されるので、 その負荷が記憶への定着を促し、 忘れてもいいという許しを 自身に与えているので、 一切のストレスも かかっていないけれども、 にもかかわらず、 簡単に忘れることはなくなり、 結果として、 「ストレスフリーであるにも かかわらず、 学びや体験の歩留まりが 劇的に向上する」 こととなるのです。 ■日記習慣を持つ人は、 それが習慣化されているがゆえに、 ほとんど無意識、無自覚、日常的に、 ストレスを感じることなく 「劇的に向上した、学びや体験の 歩留まりのメリット」 を享受することとなるのです。 ■ほとんどの人は、こうした 日記習慣を持たないものですが、 (特に数千文字の日記を日常的に 記し続けている人は、 1000人に一人もいないのでは ないでしょうか) 継続している人は、 時間の経過とともに 地力をつけていけるようになる、 と確信しています。 ■この習慣を続けるためには、 書くという営みに対する好き嫌いも あるし、執筆時間の制限等々、 さまざまな制約もあるので 数は限られますが、 実際に、お客さまの中でこうした 習慣を身につけられた方は、 劇的に変化・変容を遂げられているのが 傍から見ていても明確にわかります。 ■ここまでの文章で 3,000文字強(正確には3,145文字) となりますが、 こうした文章を綴ることによって 漠然と認識していた、 「体験や思考を記述することによる 歩留まりのメカニズム」 が、 私(鮒谷)の中で、 より明確化されたこととなります。 ■さらに続けます。 (書くのではなく)話すことを通して、 何かを伝えようとする際には、 案外、簡単に 「論理の構造をごまかす」 ことができるもの。 ■私(鮒谷)は、 人前で話をする機会が 頻繁にありますが、 話をしているときに、 自分の中でも、しっかりと整理を つけられていない内容については 「あ、ここ、 ちょっと誤魔化している」 と自分でハッキリ分かります。 ■ここで怖いのが、 無理矢理感のある 論理展開であったとしても、 聞かれている方のほとんどには、 その事実を気づかれないこと。 話はすぐに流れていくし、 巻き戻しもできないので、 聞いているときには それらしく聞けても、 文字を起こして読んでみたら散々、 ということが、 結構あるのです。 ■こうした 「雰囲気話法」 でもって、 他者を誤魔化し、 自分を誤魔化すことに 慣れてしまうと、 何かを伝える際に 「だいたいの理解でも まあ、誤魔化せるし」 という心的状況のまま、 やり過ごすようになります。 ■それでは一向に 思索が深まらないし、 いざ、何かを伝えようと思っても 的確な言葉も出てこず、 伝えたいことを説得力を持って 他者に訴えかけることもできません。 ■話中心の生活をしているうちに 知らず知らず、 こうした状態にはまり込むのが 個人的には恐ろしい。 日常的に文章を書いていると 「書くのと話をするのとは 全く異なる」 と理解できるし、 同時に 「書ける話は、 話もできるけれども、 話せるからといって 書けるとは限らない」 あるいは 「漫然と、それらしき話を することができるのと、 説得力を持って話をしたり、 書いたりするのとはまるで別」 ということも分かるようになるので、 「書く習慣を失う恐怖」 を感じられるようにすら なるものです。 ■こうした感覚を持てるようになれば、 「完全に書く習慣が定着した」 ということになりますから、 生きているだけで (そして日記を書き続けるだけで) 自動的に 脳内が整理整頓されていき、 それに伴って、 説得力のある話ができるし、 文章をかけるようにもなるでしょう。 ■一度、身につけたこの習慣と、書く力は 永遠に失われることはありません。 あとは時間を味方につけて、 書き続けるほどに 雪だるま式に、大きな有形・無形の リターンをもたらし続けてくれるはず。 ■私(鮒谷)は、 20年ほどの間、毎日10,000文字 程度の文章を書き続けてきて、 確信を持って、 このことを断言できるのです。 (ここまで4,535文字) 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■文章を書くことで頭の中が整理され、 秩序だっていくこととなる。 ■脳内のモヤモヤ感(カオス状態)が なくなり、思索が明瞭化され、 自身の過去・現在・未来が統合されていく 感覚すら覚えるようになるのである。 ■インプットしたら咀嚼する、その上で 行動に移すことによって、 説得力のある発信(話も文章も)をできる ようになり、成果も出せるようになる。 ■なにより自分の一貫性を感じられるように なり、幸福感が高まるのが一番の価値。
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5892号 600文字トレーニング、からの3,000文字トレーニング
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