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5890号 すべての知的プロフェッショナルが留意すべきこと


■ここ数日、

 「鮒谷流、
  コンサルの際の4つの極意」

 というテーマで2番目まで
 お伝えいたしましたが、

 今日はいよいよ3番目の話。



■私(鮒谷)がコンサルを行う際に、
 留意していることに


 「お客さまの状況をできるだけ深く
  理解するために、

  可能な限り、深いところまで
  全部聞き出してからお答えする」


 ことが挙げられます。



■ある分野における、
 一定の専門知識を持っていると、

 お客さまの表面的な悩みを聞いて、
 即座に解決策をお渡ししよう、

 そんな誘惑に駆られることがあります。


 しかし、その姿勢が
 致命傷となることがあるのです。



■少なからぬお客さまは、

 自分の真の課題を
 うまく言語化することができず、

 本当の課題を特定する手助けとして
 コンサルをお申し込み下さるのですが、


 特に、私(鮒谷)が
 コンサルを始めた頃は、

 そんな機微を理解できず、


 問われた相談に、
 直接的な回答をお渡しすることで、

 「これでOK!」

 と自己満足に陥ることも
 (今から思い返せば)

 結構な頻度であったようにも
 思われます。



■しかし、コンサル経験を重ねると、

 コンサルで提供するべき
 真の価値は、


 お客さまの相談内容に
 真正面からお答えすることではなく、

 (それが重要なこともありますが)


 それ以上に、

 お客さまがうまく言葉にできない、
 しかし漠然と感じられている

 「より、本質的な課題」

 を探りあて、言語化し、
 共有すること。



■すべてはここから始まります。


 トヨタの「なぜなぜ分析」に
 通じるものでもあるのですが、


 目の前に見えている現象ではなく、

 その現象を引き起こす原因となった
 一段階、二段階、、、上の、

 「真の原因」

 を探り当て、


 その悩みを根源から解決することに
 よって初めて、

 「お客さまの期待値を、
  大きく上回る価値提供」

 が実現されるのです。



■もちろん、毎回、毎回、

 そうした本質的な問題を
 的確に抽出できるか、

 と言われると甚だ心配になるところも
 あるわけですが、


 少なくとも、

 「お客さまが課題としてご相談下さる
  9割までは、真の課題ではない」

 くらいのイメージを持って、
 相談に臨んだ方が良い、

 と思っています。



■とはいえ、


 現象として現れている
 表面的な悩みも、

 それはそれで、お客さまを悩ませたり、
 苦しめたりしている原因ですので、


 よく話も聞かずに

 「ああ、それは真の原因では
  ないんじゃないですかね」

 と断定するような態度は
 微塵も見せてはならず、


 その上で、

 「おそらくは、真の問題は
  そこではない可能性が高い」

 という前提を持って、


 徹底して深く、深く、
 質疑や対話を通して、

 お客さまが気づかれていない、

 「今の状況を生み出すこととなった
  本当の原因」

 を探り当てることに
 全神経を集中させるのです。



■イメージとしては、


 素潜りで海女さんが
 海の深いところまで、

 どんどん潜っていく、
 限界まで潜っていく、


 そんな感じ。



■もちろん私(鮒谷)は、

 深いところまでの素潜りの経験は
 ありませんので、

 あくまで想像に過ぎませんが、


 コンサルを行っている時の
 身体感覚としては、

 そんな風なイメージを持ちながら、
 もっと深く、さらに深く、

 という気持ちで、


 お客さまの真のニーズを
 探り当てることに、

 認知能力のほぼ全てを投入するように
 心がけています。



■こうした思いを持たなかった頃は、


 表面的な悩みを聞いて、
 それを自分の強みに引き寄せて、

 (あくまで以下、一つの例ですが)


 「ああ、それだったら、
  メルマガ書けばいいっすよ」

 「ああ、情報発信していないから、
  そんなことになるんです」

 「営業力高めればいいんですよ、
  それにはこんな風にしたらいい」


 的な、


 お客さまの側の


 「文章書くのが苦手なんだけど...」

 「表に出たくないし、
  目立ちたくもない...

 (あるいは、表に出られない
  諸般の事情がある)」

 「営業に苦手意識があり、
  できることならば、
  一生避けて通りたい...」


 といった声なき声を無視して
 押し付ける、

 ということを行っていたように
 思います。



■こうした姿勢は
 とてもではありませんが、

 「顧客に寄り添っている」

 とは言えませんね。


 これでは単に

 「言えることや、言いたいことを
  言っているに過ぎない」

 わけで、自己満足に過ぎません。



■プロフェッショナルは、

 お客さまの真のニーズを満たす
 お手伝いをする、

 プロフェッショナルで
 あるわけであって、


 自らの知識や経験を誇るために
 仕事をしているわけではないことを、

 深く認識しておく必要があるのです。



■とはいえ、もちろん

 「自らの膨大な知識や、
  多彩かつ大量の経験」

 があってのコンサルでもありますから、

 それらを持っていることは
 大前提。



■その上で、

 トンカチを持った子どもは、
 突起物を見たら、

 どんなものであっても、
 叩きたくなる、


 あるいは

 ハサミを持った子どもは、
 紙を見たら、

 切ってはならないものまで
 切り刻みたくなる、


 それと同様の、

 自分の持っている道具で、すぐに
 解決したくなる欲求を押し殺し、


 「目的に応じてそれらの道具を
  使う必要があれば使うし、

  使ってはならない場においては
  使わない」

 という意識を強く持たなければ
 なりません。



■ここまでの話をまとめると、

 コンサルの特に序盤においては
 決して自分が話したいことを話さず、


 出来る限り、お客さまに
 たくさん話をして頂き、

 ただ、その話が拡散しないよう、
 適切に質問をコントロールすることで、


 (話が横に展開するのではなく)

 話を縦に(=深く)掘られるように
 話題を展開し、

 真のニーズを汲み取ることを
 第一義として接する、


 この意識が重要であるということ。



■これが実践できていないと、
 お客さまの側で

 「その答えが欲しいのでは
  ないのだけれども、、、」

 という不完全燃焼感を
 強く持たれることとなります。



■こうした不完全燃焼感の存在を
 口に出してお伝え頂ければ、

 まだ対処のしようもありますが、


 たいていの場合、

 「求める回答はコレじゃない」

 と思いながらも、


 得々と語る相手の姿を見て、
 その思いを言うに言えず、

 終了の時刻が訪れて、

 (いちおう社交辞令として)

 「ありがとうございました!
  おおむね悩みは解決できました」

 と言われてしまうことがあります。


 これが最悪の展開。



■専門家が、
 そうした言葉を真に受け、

 「問題は無事に解決した。
  良かった、良かった」

 と自らの振る舞いを顧みることなく、


 次の方に対してもまた同じことを
 繰り返していくと、


 次から次へと(気づかぬうちに)

 「一酸化炭素中毒者
  (=不完全燃焼者)」

 を生み出すこととなり、


 お客さまの課題解決に貢献する、
 ということもなければ、

 当然のことながら、
 リピートもしてもらえない、

 ということになるわけです。



■ここまでの話は、

 私(鮒谷)の事例、という体裁で
 お伝えしてきましたが、


 実はこれはあらゆる専門家
 (知的プロフェッショナル)、

 たとえば、

 あらゆるコンサルやコーチ、
 教師、士業、医療に携わる人、等、

 専門知を武器にしている人、


 が留意すべきこと。



■専門家は、

 課題を持たれた方に対して、

 自らの知識や経験に基づいた
 問題解決策を提供する、

 ことを生業とする者ですが、


 強く自らを戒め続けないと、
 容易にこの展開になります。


 それでは専門家の役割は果たせない、
 ということですね。

 自戒を込めて。




 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!




 【今日のピークパフォーマンス方程式】

  ■あらゆる知的プロフェッショナルは知識と
   経験を武器にするが、

   顧客との対話をないがしろにし、簡単な
   ヒアリングのみに基づいて予断を持ち、

   自らの話したいことのみを話す、といった
   ことを決して行ってはならない。

  ■顧客の真のニーズは容易に掴めない、

   そんな謙虚さを持つからこそ、
   慎重、かつ丁寧な対話を心がけられるし、

   その結果、(目に見える現象ではない)
   本当の原因に到達してこそ、

   初めて有効なコンサルティングや
   アドバイスを行えるようになる。

  ■以上、全ての専門家が留意すべきこと。


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