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5756号 「過度の一般化」によって負のサイクルから抜け出せなくなる

■先日の日経新聞夕刊
 (2019年5月31日号)の、

 「あすへの話題」

 で、

 漫画家の柴門ふみさんが以下のように
 記されていました。


 (ここから)
 ---------------------------------


 傍から見れば理想的な仲良し夫婦であっても、
 妻から夫の悪口が漏れ出ることがある。


 「夫はねえ、嫌なこと面倒なことは
  すべて 私に押し付けるの」

 三十年来の友人であるA子は
 私によくそう言う。


 しかし、日本人の平均から見れば、

 彼女のご主人は家事を
 よく手伝っている方だと思う。


 嫌なことってたとえば具体的に何?
 とA子に尋ねてみた。

 すると、郵便物をポストに入れるのを
 面倒くさがって妻にいつも押し付けるのと
 いう答え。


 それ以外は?とさらに聞くと、

 とりあえず今はそれしか
 思い出せないと彼女は言った。


 A子のご主人は、

 投函よりよっぽど面倒くさい家族旅行の
 手配や妻の誕生日のレストラン予約を、

 いつもやっている。


 思うに、郵便物の投函を命じられるたびに
 A子は

 「ああ、面倒くさい。夫はいつも
  嫌な面倒なことを私に押し付ける」

 と頭の中で繰り返し、
 それによっていつしか

 〈嫌なこと面倒なことを
  いつも押し付ける〉

 夫像を脳に定着させてしまったのだろう。


 不満を言葉にして繰り返すと、

 それがあたかも真実のように
 脳に付着してしまうことがある。


 特に、

 〈すべて〉〈いつも〉

 といった強調の副詞は、

 物事をどんどん真実から遠ざけて
 しまうので気をつけなくてはいけない。


 怒りにまかせた感情的な言葉を
 言葉にしてはいけない。


 話が通じない上司に対し

 「どうしようもない馬鹿」

 という感情が一瞬思い浮かんだとしても、
 言葉にする前に忘れることだ。


 強調しない反復しない
 漫画家 柴門ふみ

 日経新聞夕刊2019年5月31日号
 「あすへの話題」より引用。


 ---------------------------------
 (ここまで)


 これ、素晴らしい話だと
 思われないでしょうか。


 思わず私(鮒谷)は、

 二度、三度、
 くり返し読んでしまいました。



■中でも留意しなければと思ったのが


 ---------------------------------

 不満を言葉にして繰り返すと、

 それがあたかも真実のように
 脳に付着してしまうことがある。


 特に、

 〈すべて〉〈いつも〉

 といった強調の副詞は、

 物事をどんどん真実から遠ざけて
 しまうので気をつけなくてはいけない。


 怒りにまかせた感情的な言葉を
 言葉にしてはいけない。

 ---------------------------------


 のくだりです。



■心理学で言われる、
 認知の歪みの一つに

 【過度の一般化】

 というものがありますが、
 上の話などはまさにそう。


 たった一つか二つの事例を元にして
 それを汎化して捉えてしまい、

 物事を見誤ってしまう例ですね。



■柴門ふみさんの書かれた、
 怒りの加速構造は典型的なものですが、


 ほかにも、たとえば

 (過去にうまくいったことがたくさん
  あるのに、それには目をつむり)


 自分の至らぬところを
 ことさらに探し出しては

 ほんの一つ、二つの事例ばかりに
 目を向けて


 「『いつも』失敗ばかりしてしまう」

 「やることなすこと、
  『すべて』うまくいかない」


 といった言葉を繰り返す人があります。



■こんなことを重ねていると、
 そのネガティブな思いが脳に刻まれ、

 自分は失敗ばかり、
 何をやらせてもうまくできない、

 といった

 「真実でないことを
  真実だと信じてしまう」

 ということが起きるようになるのです。


 これらもまた典型的な

 「認知の歪み」

 といって良いでしょう。



■こうした副詞
 (=すべて、いつも)

 を、うっかり安易に
 自分が浸かってしまうこともあれば、


 (親や親戚、先生や友人知人、
  上司や同僚、部下などといった)

 他者から他意なく使われて、


 でも、それによって、

 「無意識に認知が
  (マイナス方向に)歪まされてしまう」

 ということもあるわけです。


 要注意、要注意、、、



■ここまでに取り上げたような話は

 「認知の歪み」

 についての分かりやすい例ですが、


 こうした形で無意識に生じた
 非合理な認識と、

 そこから生まれ、さらには加速する
 ネガティブな思考や感情の再強化、

 という流れを断ち切らない限り、


 延々と、

 「怒りや悲しみや不満や不安や
  自信のなさ」

 といった感情が再生産される
 ことがあるのです。




 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!


 【今日のピークパフォーマンス方程式】   ■安易に「すべて」「いつも」という言葉を    (負の方向に)使わない、使わせない、    これを意識するだけで「認知の歪み」と    そこから生まれるマイナスのサイクルを、    回避できる可能性が高まることだろう。   ■言葉遣いの如何によって脳の回路が    いかようにも形成されるからこそ、    言葉は徒や疎かに扱われるべきではない    のである。

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