■ここ10年ほどの間、 毎月一回、一度も欠かさず、 大阪に帰って両親との食事会を開いています。 今回は寿司がいいとか、 鉄板焼きにしようとか、 懐石のこの店に行きたいとか、 久しぶりに天ぷらにしようとか、 昔は毎冬ごとに太政でふぐ買って、 鍋してたよね、なので、ふぐがいい、とか、 最近は鰻にハマっているとか、 シーズンだから鱧がいいとか、 いろんな要望が出てきますし、 何かとカネもかかります。 ■でも、 二人とも、今はそんな大きな刺激がある毎日を 過ごしているわけではないので、 非日常を楽しんでもらうために、 全力で要望に応えるようにしています。 合わせて、毎年、旅行にも行っています (一昨年は2週間ほどクルーズツアー、 昨年は有馬温泉に二泊三日)。 さらに数日に一度は、実家に電話を入れてます (母親の長電話にはときに閉口させられますがw)。 ■なんとなれば、 少年期から青年期にかけて、 どれだけ親孝行しても返しきれないくらいの、 心配や迷惑をかけてきたからです。 特に母親の涙は何回みたかしれません (&父親にも高血圧+心臓が悪いのに、 何度も激怒させてしまいました、、)。 これで親が早逝していたりすれば、 その原因のかなりの部分、 あるいは少なく見積もっても何割かは、 間違いなく私のせいであったでしょうけれども、 おかげさまでいまだ両親とも健康、元気で、 まずはそういった意味での後悔はしなくて済みそう、 というくらいまでには長生きしてくれています。 ■これで取り返しのつかない後悔はしないかな、 と少なくとも今は思っていますが、 実際のところはどうなるのでしょうね。 もちろん、人生100年時代にあっては、 まだまだ長生きしてもらうつもりですが。 ■とはいえ、 既にある程度の年齢になっているので、 実は、一緒に食事をするときには、 いつもこれが最後になるかもと、思い、 こっそり会話をスマホで録音しながら食事しています。 今が元気でも、翌日、何があるかわからない、 というくらいの年齢にはなっていますので。 会話の中に出てくる、家族のことや親族のこと、 家のこと、昔の思い出話、 そしてなんといっても親の肉声を記録しておきたいと 思ってのこと。 失ってしまってからでは手遅れだから。 ■もちろん、末永くこれからも食事会、 さらには旅行も続けたいと思っていますが、 私(鮒谷)も含め、お互い、生身の人間なので いつまで続けられるかは分かりません。 昔からそんな風に思っていて、 みうらじゅん流に言えば「親孝行プレイ」に 全力を尽くしてきたつもりですが、 そんな気持ちをさらに強化してくれたのが、 以下に挙げるいくつかの本でした。 ■特に前二冊は読まれた方も多いと思いますが、 いずれもいずれも、 もしいまあなたの親が健在で、 かつ未来に、満足のいく孝行をせず、いつか 後悔することなど絶対にしたくないと思うのであれば、 ぜひお読みいただきたい本です。 私は親孝行に対する想いが格段に強化?されました。 『東京タワー』『とんび』 『親が死ぬまでにしたい55のこと』 (&『親孝行プレイ』) ■『親が死ぬまでに~』には、 「仮に親が現在60歳とすると、 20年間(親の残された寿命)×6日間(1年間に会う日数) ×11時間(1日で一緒にいる時間)=1320時間、 つまりあと55日しか残されていない」 ということが記されています。 こうした計算から導き出された 「残された日々」は、 幼少期から青年期にかけて無限に続くと思っていた 親との時間が有限であり、 どころか、いかに希少であるかに気づかせてくれ、 気持ちが引き締まる思いがいたします。 私の両親は60歳を、とうの昔に越えていますから、 なおのこと。 ■それにしても 「いつまでもあると思うな 親とカネ」 は幼少の頃から、父親が私に向かって、 ことあるごとに言い聞かせ続けてくれた言葉ですが、 振り返ってみると (どういう意図で発していたのかは 定かではありませんが) 結果として、この声掛けは間違いなく私の自立心を 養ってくれたようにも思います。 ■ということで、明日も日帰りですが、 両親と食事(明日は天ぷら!)を食して帰ってきます。 ...ところで、 なぜ長々と親孝行の話について記してきたかというと、 今日 『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』 という本を読み、改めて親との関係性について 考える機会があったから。 ■幸いなことに、 両親とも要支援あるいは要介護の状態に あるわけでもなく、 なんの問題もなく外出もできますが、 改めて認知症も介護も他人事ではない (あるとき、突然、ことが起きる、ことがある) と思いました。 ■介護(さらには認知症の親の介護)で大変な状況にある 友人、知人、あるいはお客さまもいらっしゃり、 そうした人から大変さはつとに聞いてきましたが、 認知症と老化が一緒に進み、 それを抱え込む現役世代が徐々に 「共倒れ」 に至る道のりの典型的な一事例が、 この本には克明に記されていました。 ■著者は外部の人たちや兄弟の協力もあり、 すんでのところで共倒れは免れましたが、 まさにこうしたことがこれからの日本の、 あらゆるところで激増していくのであろう、 他人事ではないリアルの物語である、 と思わずにおれませんでした。 ■特に現役世代で、 さらに、元気で健康な親のいる人は、 希望的観測を根拠とする 「なんとかなるっしょ」 的な無為無策で生きるのではなく、 いざ、何が起きても腹をくくって対処する覚悟を持ち、 平時のときだからこそ、 万一に備えたシミュレーションを行い、 準備しておく必要があるのではないかと思われます。 ■ひょっとすると、孤立無援&経済的な準備も覚束ない、 といった絶望感に囚われる方もあるかもしれません。 でも、まずは直視しないことには始まりません。 私もこの本を読んで、明日、 両親と会うことになるわけですが、 いつもとはまた違った思いを持ちながらの 食事会ということになりそうです。 追伸:今回は 『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』 という本を紹介しましたが、機会があったら 『母さんごめん、もう無理だ きょうも傍聴席にいます 』 この本もぜひ読んでみて下さい。 人生、あるいは社会について、 深く思索せずにはおれなくなるはずです。 ■現在、当社にてご案内中の音源は、 以下からお求め頂けます。 ------------------------------------------- <先週の売れ筋音源 BEST5はこちら ※7月23~7月30日・本数ベース> 【1】鮒谷周史の、圧巻!『物語』を自在に操れる者だけが、 人生を思い通りに生きられる」放談会音源 https://shinkaron.buyshop.jp/items/6536488 <当音源をお聴きくださった方から お寄せいただいた100ページにおよぶご感想紹介> http://ssdlfiles.s3.amazonaws.com/170627_testimonials_monogatari.pdf 【2】鮒谷周史の圧巻!「転落続きの人生を、 日記を書いて蘇生させた話」放談会音源 https://shinkaron.buyshop.jp/items/5955812 <当音源をお聴きくださった方から お寄せいただいた133ページにおよぶご感想紹介> http://ssdlfiles.s3.amazonaws.com/170630_testimonials_nikki.pdf 【3】鮒谷周史の「圧巻!目標設定&目標達成」放談会 &<フォローアップ編>&<Q&A>音源3本セット https://shinkaron.buyshop.jp/items/5162715 <当音源をお聴きくださった方から お寄せいただいた370ページにおよぶご感想紹介> http://ssdlfiles.s3.amazonaws.com/170412_testimonials_mokuhyou.pdf 【4】鮒谷周史の、圧巻! 「極小リスク、ミドルリターン起業」放談会音源 https://shinkaron.buyshop.jp/items/4931004 <当音源をお聴きくださった方から お寄せいただいた80ページに及ぶご感想紹介> http://ssdlfiles.s3.amazonaws.com/170621_testimonials_kigyou.pdf 【5】ブックライター上阪徹さん音源<聞く力&書く力編> https://shinkaron.buyshop.jp/items/5362691 <当音源をお聴きくださった方から お寄せいただいた203ページに及ぶご感想紹介> http://ssdlfiles.s3.amazonaws.com/170704_testimonials_uesaka.pdf ▼その他の音源はこちらからお求め頂けます。 https://shinkaron.buyshop.jp/ ▼音源ダウンロード等でのトラブル、その他、 ご不明な点については、どうぞお気軽に http://www.2nd-stage.jp/contact/ あて、お問い合わせ下さい。 ------------------------------------------- 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■不測の事態はいつ起きるか分からない。 滅多なことは起こらないだろう、という 希望的観測から生まれる無為無策が、 後のとてつもない後悔につながることも 往々にしてあるものだ。 ■知らないし、知る必要もない、ではなく、 知らないからこそ、知りに行く、 テーマによっては、そんな必要もある のではないだろうか。
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5075号 【 鮒谷周史の「親孝行プレイ!」 】
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