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4392号 鮒谷が考えるところの「子育ての極意」とは


■たまに、というか、けっこう頻繁に、

 「子育て」

 について聞かれることがあります。


 そういう年代のクライアントさんが
 多いためでしょう。



■質問のされ方としては、

 (どこをどのように勘違いされたのか)


 「どうしたら鮒谷さんみたいになれますか?」

 「これまでにどういう教育を
  受けてきたのでしょうか?」


 といったような問い。



■しかし、

 そもそも、私(鮒谷)のようになってしまうことで
 不幸になってしまう人もいるでしょうし、


 なによりも、

 (私が特異な生き方をしていることもあり)

 私と強みや価値観、性質その他が
 限りなく一致しない限り、

 不幸になってしまう確率のほうが
 高いのではないかとも思われます(汗)



■そんなこともあって、

 また、

 こと、他人の子育て、といった重たい分野において、

 責任を持ってお答えできるような
 説得力のある体験も根拠も持ち合わせていないので、

 このようなご質問については、基本的に
 正面からお答えしないようにしてきました。



■そもそも、


 私自身からして、
 個人的に受けてきた教育は、

 小学校は普通の公立校でしたし、


 中学・高校においては
 OBたちが口をそろえて言う、

 「中高6年間一貫した、完全放置教育
  (よく言えば、自由放任、、)」

 でありました。



■せっかく潜り込んだ大学も
 ほとんど行かずに留年し、

 卒業後もMBAを取った、あるいは難関資格を
 取得したというような経験もありませんので、

 考えてみれば、まともに体系だった教育を
 人生において受けたことがないのです。


 あえて挙げるとすれば、

 せいぜい中学受験に備えた
 およそ1年半ほどの受験勉強のみが、


 私の人生において

 「唯一、血肉になった教育」

 といえるように思います。



■だからこそ、本心から

 「子育て相談とか受けても、
  何もお伝えできることなんかありませんよ」

 とお答えしてきたのですが、


 そんなお話をしても、なお、

 「それでもいいので、話してください」

 と言われることがあります。


 そこまで言われれば拒む理由もありませんので
 お話しすることにしています。



■ただし、

 私自身にのみ(たまたま)適合した方法論を
 語っても、

 それは普遍性を持たず、
 聞かれる方の為にもならないと思いますので、


 私の周りにいる、

 「この人は素晴らしいなあ」

 と思える人がどのような教育を受けてきたのかを
 見て、聞いて、


 より普遍性が高いと思われるもののみを
 抽出した内容から、

 最も重要であろうことをお伝えしています。



■その回答は、具体的に、そして一言で言うと


 「お子さんには、読書習慣をつけさせる
  (=様々な世界に好奇心を持たせる)

  ことに力を入れたらよいのではないでしょうか」


 というもの。



■そのためには、


 -------------------------------------------------


 1、幼少期からの読み聞かせ


 2、様々な分野における、多様なレベルの
   たくさんの本がある環境を自宅に用意する


 3、親自身が楽しそうに本を読んでいる姿を
   子供に見せる


 -------------------------------------------------


 この3つによって
 子供に本を読むのが当たり前、

 と思い込ませる。


 こうして

 「日常生活において、
  呼吸するように活字を読む」

 このような状態に小学校、あるいは、
 中学ぐらいまでの間に入ってもらう。


 そんなイメージで環境を整えられると
 良いのではないでしょうか。



■私自身、

 「親に特別な教育を施された」

 という自覚は全くありませんが、
 この3つの項目だけはバッチリ当てはまります。

 そして、このことについて
 大変感謝しているのです。


 こうして

 「日常生活において、
  呼吸するように活字を読む」

 ようになると、


 スーパーマリオブラザーズにおける、
 スーパースターを取ったマリオのような

 「無敵モード」

 に入ったといえるでしょう。



■ひとたび、この習慣さえ手に入れられれば、


 あとは、勝手に

 「無敵モード」

 ならぬ

 「濫読モード」

 に入るので、

 膨大な量の読書を自発的、かつ、継続的に、
 行なうようになります。



■こうして

 「年間数百冊 × 数年ないし十数年、さらには数十年」

 といった蓄積によって、


 「多種、多様、多彩に存在する世の中の文脈を、

  無数の先人がまとめ、語ってきた、
  圧倒的な量の教訓やエピソードによって理解する」


 ことができるようになるはずです。


 この膨大な蓄積が

 「生きるセンス、生きる知恵」

 へと昇華するのではないでしょうか。



■こうして若いうちから、


 (たとえば)

 大人社会においては、

 子供には想像もできないような
 陰険さや陰湿さが存在する、

 といったことを理解する

 (とまではいかなくとも、
  なんとなく予測がつく)


 こととなるでしょう。



■同時に、

 人に対する(特に弱者に対する)共感力も
 身に付いてくるでしょう。


 経験したことのない境遇に、
 書籍を通して擬似的に身を置くことによって、

 その世界に共感できる、そんな精神が
 手に入ることもあるでしょう。



■この例が分かりにくいとするならば、
 たとえば中高生くらいのときに、

 山崎豊子の長編小説をすべて読了していたら
 どうでしょう。


 中高時代すべてをスマホゲームのみで
 費やししまった人と比べて、

 双方における、世の中に対するイメージ形成は
 まるで別のものとなるでしょう。


 世界観が処世訓を導き出すのであるから、

 世界観の差が、行動の質・量という形で立ち現われ、
 その結果も途轍もなく大きなものとなる、

 そんな風に思われます。



■こうした「世界観の形成」には時間がかかります。


 さらに、

 大人になるにつれて、より複雑な文脈が交差する
 社会や人間関係に放り込まれるわけですが、


 「多種・多様・多彩な世界観の存在を認識し、

  同意できずとも、
  そういう考えがあることは承知している」


 というレベルにまで至れれば、
 地雷を踏むことも少なくなるはずです。

 ただし、そこに至るには、
 それこそ膨大な量の読書が必要でしょう。


 こうした過程を経て、自信や洞察力や寛容さが、
 涵養されることにもなるはずです。



■世界観の形成、
 あるいは多様な価値観への理解力は、

 すぐに結果を出すようなスキル、能力とは
 全く別のものであり、

 だからこそ疎かにされやすいもの。


 しかし、これこそが

 「あらゆる局面において
  我と我が身を助けるための基礎体力」

 となるのではないかと思います。


 すぐに役立たないからこそ、あとになるに従い、
 大いに役に立ってくれるのです。



■振り返ってみても、私(鮒谷)が、

 「この人は生き抜く知恵と力を持った人だなあ」

 と感嘆する人は、

 例外なく途方も無い量の読書体験を
 重ねてきた人。


 さらに、これまでに読んできた本の中で

 「すぐに成果を発揮するための本」

 ではなく、


 「この本を読んで、どんな結果が現れるのか、
  皆目、見当もつかない」

 といった本をたくさん読んできた人。



■個人的な経験から考えても、


 たとえば、いわゆるビジネス書
 (≒すぐに結果を得るための本)

 によって何かを学んだ、掴んだ、

 といったことは、
 ないわけではないけれども、


 人生全般を通して見てみると、

 「それらから受けた影響力は、極めて小」

 と言わざるを得ません。



■こんなことを書くと、

 「そういうお前もビジネス書を書いているじゃないか」

 と反論されるかもしれませんが、
 そうではなくて、

 「(この時点では)ビジネス書しか書けなかった」

 というのが正解です。


 もちろん、決して
 ビジネス書を否定しているわけではなく、

 即効性という点では軍配があがるので
 時と場合によって、

 読んだほうがいいと思いますし、
 私も人並み以上に読んできたつもりです。


 ただし(!)

 人生の、特に最初期段階においては、
 もっと優先的に学ぶべきことがあるのではないか、

 というのが私の思いなのです。



■私(鮒谷)であれば、先に挙げた、

 山崎豊子であったり、


 他にも、


 城山三郎であったり、

 司馬遼太郎であったり、

 藤沢周平であったり、

 夏目漱石であったり、

 芥川龍之介であったり、

 宮沢賢治であったり、

 遠藤周作であったり、

 吉行淳之介であったり、

 安部公房であったり、

 有吉佐和子であったり、

 O・ヘンリであったり、

 フランソワーズ・サガンであったり、

 ヘミングウェイであったり、

 パール・バックであったり、

 ヘルマン・ヘッセであったり、

 スタンダールであったり、

 シェイクスピアであったり、

                (以下、略)


 といった作家から与えられた影響は
 とてつもないものがあります。


 今、私が生きていくうえで大切にしている
 指針は、

 間違いなく、幼少期からの
 こうした読書体験から築き上げられてきたもの、

 と確信しています。


 それどころか、尋ねられれば、
 いちいち根拠まで出してお答えすることができます。



■私に限らず、幼少の頃からの読書体験は、

 世界観の形成や、世界と向き合う態度を
 作り上げてくれるものでしょう。


 しかも、特に10代までの読書においては、

 「○○を得よう、学ぼうと思って本を読む」

 といったことは基本的に皆無であるはずです。



■そういった不純な(?)動機で、
 本を読むことはないために、

 純粋に知的好奇心に誘(いざなわ)れ、
 様々な本を渉猟していくことになります。


 こうした読書遍歴の結果、

 事後的に自分独自の世界感が形成されて
 いたことに気が付くのであるから、

 なお素晴らしいと個人的には思うのです。



■また、

 「この本を読め」

 と親に言われるから読むのではなく、
 自発的に

 「読みたい、読まずにはおれない」

 と思い読み進めるものだからこそ、
 完全に自身の血肉になってくれることでしょう。



■私も、上に挙げた作家が記した本、
 どれ一冊として親から薦められて読んだ本はありません。

 (両親の本棚にあったものを勝手に拝借して
  読んだことは多々ありましたが)


 つまり、小学生、
 あるいは遅くとも中学生頃までに、

 強制的ではなく、緩やかに本読みの楽しさを
 伝えることによって

 「息をするように読書する、
  そんな習慣をつける」


 といった手助けさえ上手に行えれば、

 「あとは勝手に、
  主体的、自発的に本を読み始める」

 ものだと思います。


 (私の友人知人でも、そんな経緯を経て、
  本を読むようになった人が多いようです。

  先のDVD鑑賞合宿のときにも、
  そんな話が出ました)



■一旦、この姿勢さえ、身につけさせてやれば、


 (誤解が生じる書き方かもしれませんが)

 あれやれ、これやれ、
 あれ読め、これ読め、

 といった、

 「気持ちの悪い英才教育」

 など、一切不要になるのではないかと
 思っています。


 そんなことをされればされるほど、

 せっかくの知的好奇心が減殺され、
 本を読む気も失せてしまう、

 のではないでしょうか。



■むしろ、その後は、

 子供を信じ、過干渉せず、
 適当にやらせた方がそれなりにやる、

 というようにすら思えます。


 ある程度放任することによって、

 たとえ一時的に人生を過ち、あるいは、
 踏み外しそうになったとしても、


 精一杯の愛情を施し、
 細かいことは言わず、

 本当にどうしようもなくなったときには、
 自然と親の顔が思い浮かんでくる、


 それくらいの関係性を育んでいたならば、

 「すんでのところで戻ってくる」

 のではないかと思うのです。


 (かくいう私自身、
 「すんでのところで戻ってきた」クチでした)



■なので、


 つまるところ、教育とは、

 「読書習慣(好奇心)の醸成 × 過干渉せぬ、親の愛情」

 のこれだけでいいんじゃね?

 というようにも思われます。


 以上、

 子供を育ておおせたこともない私(鮒谷)が、

 自分と周りにいる人の体験のみに基づき、
 無責任にも、教育について語ってみたの巻。



■したがって、上に記したものが
 正しいかどうかの責任は取れません。


 ただ、かなり頻繁に聞かれることなので、
 ここらで一発、まとめておいて、

 時間短縮の目的も兼ね、
 次に聞かれたときには

 「これを読んでおいて下さい」

 と言うつもりで、書きました(笑)



 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!


 【今日のピークパフォーマンス方程式】   ■子供の教育は究極のところ、    「読書習慣(好奇心)の醸成) × 過干渉せぬ、親の愛情」    のみあれば良いのではないか。   ■干渉して、あれやれ、これやれ、ではなく、    干渉せずとも自ずから世界を広げていく(読書する)、    そんな習慣さえ持たせることができたなら、    あとはあれこれいわず、子どもを信じ、    やりたいようにやらせるのが良いのではないか。   ■どうせ子どもなど、親の思った通りには生きていかない生き物    だし、それが自然な姿である。    そもそも自分がそうだったではないか。

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