■いつも自分に言い聞かせ、 そして人にも語っていることがあります。 それは 「辛いときほど、明るく振舞う」 「苦しいときほど、内に秘める」 というもの。 ■人間、生きていると、 次々と、辛いこと、苦しいことが やってくるものです。 それはあたかも、 寄せては返し、寄せては返す、 波のようなもの。 例外はありません。 自分にだけは波が一切、 押し寄せてこない、 という人は一人もありません。 ■したがって、いまここに、 「幸せでたまらない人生が 10年続いてきた、20年続いてきた」 と言っている人があったら、 その人は100%、 「嘘つき」 と断じていいでしょう。 (私はそのように思っています) ■でも、実はその「嘘」は、 周囲の人に対しても、 そして自分にとっても 「ついていい嘘」 だと思っているのです。 ■これは、 苦しいこと、辛いことが あったとき、 すぐにそれを周りの人に出す人 (=ある意味、正直な人) との比較において、です。 ■もちろん、 どうしても苦悩を誰かに 受け止めてもらいたい、 受け止めてもらわなければ 耐えられない、 それほどの大きな苦しみが 襲ってきたときには、 周囲の人にその辛さを吐露することも ときに必要でしょう。 (それを受け止めてもらうことによって 救われることが多々あります) ■しかし、 仕事が多少忙しい、 自分の時間があんまり取れない、 寝不足が続いている、 少し体調が悪い、 人間関係で気になることがある、 お金の問題で少々困っている、 とか、 その程度の辛さ、苦しさを嘆かれても、 相手はそれこそ、 「たいへんだねー」 と相槌は打ってくれていても、 心の中では (極端にいえば) 「そんなの知らねーよ」 と思っているはずです。 ■なぜなら、聞く側自体が 「おれもそうだよ」 「私もそうだよ」 「みんなそうだよ」 と思っているはずだからです。 ■そして実際、その通りなのです。 みんながみんな、それぞれの立場、 それぞれの世界において、 自分が一番大変、 と思っているもの。 ■自らを客観視して、そういう 「事実」 をはっきりと認識したならば、 上に記した程度の苦しみを 外に吐き出すなんて、 とても恥ずかしいことであり、 また、迷惑なことでもあることが 自覚されてくることでしょう。 ■そんなものは 「修行」 を行っているつもりで、 自分の腹のうちに収め、 呑み込むべきものなのです。 ■それは苦しい道ですが、 あえて、そうすることによって 「他の人に頼れない(頼らない)」 という覚悟が生まれ、 その覚悟が我をして 「死中に活」 を求めさせる原動力となるのです。 ■辛い、苦しい、 と簡単に口に出している人は、 それが徐々に癖となり、習慣となり、 依存心が強くなり、 それにしたがって、 どんどん友人・知人が遠ざかって いくでしょう。 一言で言えば 「うっとおしがられる」 のです。 ■でも、当の本人はなぜ自分の周りから 人が離れていくのか、よく分からなくて、 「ポカーン」 としていたり 「???」 となったりするものです。 そして 「私はこんなに大変なのに!」 「どうしてみんなこの苦しみを 理解してくれないのか!」 と、かえって八つ当たりしたりする。 ■そうやって、 人が離れていくことによって、 怒り、憤りがますます強くなる、 という恐怖のスパイラルに 嵌まり込むのです。 一度この世界に入ると 抜け出すことは容易ではありません。 ■だから自分の心と戦うのです。 誰でも相応に苦しいことがあるし、 辛いこともある。 しかしそれを外に出さないのが 遠慮であり、礼儀でありましょう。 多くの人が、必死でこの「修行」の 苦しみに耐え、生きているのだから。 ■そうやって修行をしている人に 対して安易に、配慮なく、 「俺はこんなに大変」 「私のことをかまって」 といってくる 「大変くん」 「かまってちゃん」 の面倒を見る余裕はないから、 人が離れていくのは 「いたって当然」 の話。 ■このような、 「大変くん」「かまってちゃん」 は自分のことだけに目がいって、 他人について慮り(おもんぱかり)の できない人、 というレッテルを知らないうちに 張られてしまうでしょう。 ■その習慣、習性は、 責任転嫁、他責思考と 根を同じくするものですから、 深く関わると、 「一事が万事」 の泥沼に引き込まれ、 あとで面倒みきれなくなって、 逃げようと思ったら逆恨みされて、 という恐怖を周りの人に 感じさせることになります。 それで、 厄介なことに巻き込まれるくらいなら、 いまのうちから距離をおいておこう、 となるのです。 ■そんなことを考えれば考えるほど、 「10年、20年幸せが続いている」 と言っている嘘つきさんは、 周囲に決して心配をかけないわけですから すばらしい人格者です。 だから、そのレベルの嘘が つけるようになっている人は、 「10年、20年、修行を続けてきて、 それだけ心が練れている人」 だと私は思っているのです。 ■「厳しい修行」から逃げ出さず、 どの程度、深く、長く、 続けてこられたか、 すなわち、 どれだけ深い苦悩を抱えていても 表に出さず、呑み込み、 長い間、外に悟られぬよう、 内に留めてきたか、 が精神的にどれだけ大人であるか、 子どもなのか、 の成熟度を測る、一つのバロメーターだと 思えます。 ■なんて、偉そうにに書いてスミマセン。 今日は筆が乗り(過ぎて)、 厳しく書いてしまいました。 かくいう私は自己診断によると 精神の成熟度は 「5歳児レベル(反省)」 修行が足りません。 ■今日は、 もっと良い嘘がつけるよう、 お互い、修行していきましょう、 というお話でした。 今日も人生とビジネスを楽しみましょう!【今日のピークパフォーマンス方程式】 ■世の中には「ついていい嘘」がある。 ■それは、どれだけ大変な状況にあっても、 「元気!」「楽しい!」「幸せ!」といい続ける嘘。 ■自分の心と逆らう発言であるから、それができるように なるためには修練が必要。 しかし無意識レベルでこれが行えるようになると、 周囲の人に安心感と独立心を感じさせることとなる。 ■この逆は人間関係を築こうとする相手に依存心を感じさせ、 不安感、恐怖感すら与えることがあり、人が離れていき、 それがますます怒りや憤りをもたらす、という恐怖のサイクル に陥らせるきっかけとなりうるので自戒すべきであろう。
毎日20万人が読んでいるビジネスコラム 平成進化論
日本最大級・毎日20万人が読んでいるビジネスメルマガ
「平成進化論」のバックナンバーをご紹介しています。
3067号 ついていい嘘
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
バックナンバー カテゴリ一覧
ピークパフォーマンス方程式
- アイデア (841)
- コミュニケーション (688)
- セールス (577)
- パーソナルマーケティング (479)
- ビジネスIT・ツール (345)
- ビジネスマインド (1381)
- プロフェッショナル (674)
- マーケティング (308)
- レストラン・ホテル紹介 (6)
- 一般教養・雑学 (572)
- 人的ネットワーク (565)
- 仕事術 (678)
- 会食・交友録 (26)
- 名言・箴言・格言・金言 (267)
- 学習法 (694)
- 情報発信 (663)
- 情報社会 (336)
- 意思決定 (608)
- 投資 (425)
- 時流 (365)
- 書籍・雑誌紹介 (427)
- 歴史・人物に学ぶ (756)
- 海外 (65)
- 独立起業 (390)
- 環境 (571)
- 生き方・キャリア (1533)
- 目標達成 (790)
- 経営 (522)
- 習慣 (1095)
- 自己成長・変革 (1596)
- 自著紹介 (17)
- 長期的視点 (736)