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2600号 ABCクッキングスタジオ横井啓之社長がみつけたガラ空きの市場

■以前、弁護士の高井伸夫先生のご紹介で、

 ABCクッキングスタジオ社長の横井啓之さんと
 2度ほど食事をご一緒させていただいたことがあります。


 そのときに伺った横井さんの起業のプロセスが、
 大変面白く、私たちのヒントになることがたくさんあると
 感じましたので、ご紹介します。


■ABCクッキングスタジオは、女性専用の料理教室。

 まったく基礎知識のないところから、和気あいあいと
 気軽に学べるところが人気になり、

 全国で110校以上、会員数は23万人となっています。

 そのスタートは、長年の構想があったわけでもなく、
 練りに練った事業計画があったわけでもありませんでした。


■横井さんはもともと高級食器販売をなりわいと
 されていました。

 約60種類のグラスやお皿などを
 セットで10万円ほどで売られていて、

 セールストークは

 「器が良ければ、どんな料理もおいしく見える」

 だったとのこと。


■毎日、1時間以上かかる町まで車で営業に出かけ、

 昼休みの時間に会社の食堂などを借り、
 女子社員の人たちに販売すると、けっこう売れたそうです。


 ところが、あるとき居眠り運転で人身事故を起こしてしまい、
 借金ができ、免許もなくなってしまいます。

 さて困った、車がないと営業にも出られない、と悩んだ末に、
 静岡県藤枝市に食器販売の店舗を構えます。


■その店でも、セールストークは相変わらず

 「器が良ければ、どんな料理もおいしく見える」

 だったそうなのですが、

 そこに工夫を加え、横井さん自身が肉じゃがやお浸しなど
 簡単な料理をつくり、皿に盛りつけて営業してみることに。

 すると、この反応が意外なものでした。

 若い女性客たちに、

 「食器も素敵だけど、料理がおいしそう。つくり方を教えてほしい」

 とお願いされるようになったのです。


■横井さんは、

 「僕の料理は、自炊レベルですよ。
  料理教室なら、藤枝駅周辺にいくつもあるから、
  そこで習えば?」

 と言うのですが、女性客は、

 「あそこは料理好きの主婦がレパートリーを増やすために
  行くところです。
  玉ねぎもむけない私みたいな人が行っても覚えられないんです」

 との返答。


■また、料理ができない女性がたいへん多い実情に気付き、

 「これでは世の男性たちがかわいそうだ。
  顧客サービスの一環として、
  材料費だけもらって料理づくりを教えよう」

 と、料理教室をスタート。


 すると、料理ベタでも気軽に通えるスタイルが評判となり、
 口コミで若い生徒さんがどんどん増えていったのです。

 こうして、初心者のための料理教室 ABCクッキングスタジオの
 第1号店がオープン。

 横井さん21歳のことでした。


■料理教室がいくつもある町に、
 新たに教室を開こうとする人は、まずいないでしょう。

 すでに需要は満たされていると考えるからです。


 しかし横井さんは、

 ほんとうの初心者にとって料理教室は敷居が高く、
 通いたくても通えない人が大勢いることを知りました。


 一見、飽和しているかのように見える市場に、
 じつは需給ギャップがあったのです。


■大きなマーケットであっても、すべての顧客ニーズが
 満たされているとは限りません。

 なにかしら不満があるはず。


 横井さんはその「不満」の声を聞き逃しませんでした。

 常にお客さんとの対話ができていたのでしょう。


 明日に続けます。


 【今日のピークパフォーマンス方程式】   ■従来の料理教室は、これから初めて包丁を持つような若い    女性には敷居が高く、通いたくても通えない人が多くいるの    を、横井啓之氏(現ABCクッキングスタジオ社長)は知った。   ■そして、料理教室がいくらでもある町に、新しい料理教室を    誕生させた(この教室はその後大飛躍を遂げることになる)。   ■顧客の声を聞けば、まだまだ潜在需要が眠っている。    真摯に顧客の声に耳を傾けよう。

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