毎日20万人が読んでいるビジネスコラム 平成進化論

日本最大級・毎日20万人が読んでいるビジネスメルマガ
「平成進化論」のバックナンバーをご紹介しています。

メールマガジン「見本」はこちら

2024号 なに馬鹿として憶えられたいか


■アントニオ猪木の初の詩集には、こんな詩が
 のっています。


 --------------------------------------------


  馬鹿になれ

  とことん馬鹿になれ

  恥をかけ

  とことん恥をかけ

  かいてかいて恥かいて

  裸になったら見えてくる

  本当の自分が見えてくる

  本当の自分も笑ってた

  それくらい

  馬鹿になれ


  【今日のお勧め本  猪木詩集「馬鹿になれ」】

                   アントニオ猪木 (著)  角川書店

  
 --------------------------------------------


■とことん馬鹿になれ、とことん恥をかけと
 励ましてくれる猪木、

 実際、本人はどれほど馬鹿になり、恥をかいてきたの
 でしょうか。

 (数々の猪木語録の中でも、わたしが最強だと
  思っている)

 その一端をしめす有名な言葉があります。


 「私のアゴの筋肉は常にビルドアップされ、鍛えられています」

      (1976年5月18日 モハメド・アリ戦での記者会見より)



■アントニオ猪木対モハメド・アリ。

 世紀の一戦といわれたこの異種格闘技戦は、
 プロレスファンならずとも記憶にとどめている人が
 多いかもしれません。

 しかしこの試合を実現するため、猪木はまさに

 「馬鹿になり」

 「恥をかいた」

 のでした。


■世界的スターのアリは、極東の無名レスラー
 猪木など敵と思っていません。

 全世界のテレビにむかってさんざん
 猪木をコケにします。

 特に、アゴを、、

 アリから「ペリカン野郎!」といわれても、
 猪木はさっきの言葉を言って受け流し、
 ジッと耐えました。


■驚くべきは、試合の数日前になって、アリが突然
 猪木に突きつけた「ルール」です。

 それはなんと、

 「投げ技禁止」

 「関節技禁止」

 「立ちながらのキック禁止」

 という、ほとんどのプロレス技を封印されるような
 内容でした。

 しかし、これを受けないなら、アリは「帰る」と
 いっています。

 このルールで戦うしかありません。


■しかもアリ側は、このルールを大衆に知らせることは
 もちろん、
 試合解説者に知らせることも禁止しました。

 そんな、猪木いわく「手足をしばられたような状態で」
 試合に臨んだのです。


■試合開始のゴングと同時に、猪木はいきなり
 アリの足元にロー・キック。

 そのまま、リングの上にあお向けに寝そべると、
 その姿勢でひたすらアリの足にキックを打ち込みます。

 そして猪木は、15ラウンド、ほとんど寝た状態で
 キックを放っていたのでした。


■試合は、判定にもつれこんだ結果「引き分け」と
 なります。

 事情を知っていたごく一部の関係者は
 「最高の試合内容」と激賞しましたが、

 なにも知らない大衆は大さわぎ。
 とくにメディアは「茶番だ」と煽り立てます。

 猪木は世界の笑いものになったのです。


■後日、ルール問題が知られるようになると、この試合の
 評価は一変、
 歴史に残る名勝負と評されるように。

 同時に、猪木の名も世界に轟きました。

 アリも、もはや猪木をバカにするようなことはなく、
 それどころか自分のテーマソングを猪木に贈ります。

 あの「猪木、ボンバイエ、猪木、ボンバイエ」が
 その曲です。

 猪木は、恥をかいて、とことん恥をかいて、

 「世界の恥」から「世界の猪木」になったのでした。


■コーヒー馬鹿がいました。

 リンゴ馬鹿がいました。

 猪木は「プロレス」によって不動の地位を築きました。


■ドラッカーは

 「あなたは何によって憶えられたいのか」

 と問いかけます。

 さて、
 あなたは「なに馬鹿」として憶えられたい
 でしょうか?


 【今日のピークパフォーマンス方程式】                ■世界のスーパースター、モハメド・アリと戦うため、         アントニオ猪木は世界の笑いものになるのを             恐れなかった。                         ■試合前も、実際の試合でも、猪木は世界を舞台に           赤恥をかくことになる。                      しかし後日、一転、猪木はこの試合によってアリと同じ        世界のスーパースターに仲間入りした。              ■猪木はプロレス馬鹿に徹し不動の地位を築いた。           ドラッカー風にいうならば、                    「あなたは『なに馬鹿』として憶えられたい」でしょう。   

カテゴリ:



※現在、20万1602名が購読中。