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0951号 「ヤマアラシのジレンマ」を乗り越えてこそコミュニケーション能力は向上する


■昨日はコミュニケーション能力について書かせていただきました。

 コミュニケーション関連の話をしますと、不思議とみなさまからの
 頂くご意見・ご感想の数が多くなります。

 それだけ多くの方がこの問題にはご関心があり、私と同じように
 悩んでいる人が多いことの証左(しょうさ)なのかもしれません。


■ときどき、


 「鮒谷さんは毎日のように会食をし、多くの人とうまく人間関係を
  築いているようですが、その秘訣はどこにあるのですか」


 というご質問をいただくことがあります。

 もしあなたも、私が人間関係をうまく構築できている人だと
 思ってくださっているのであれば、それは大きな誤解であることを
 お伝えしなければなりません。


■万一そのように見えたとしても、その実態は、


 「ただ見れば何の苦もなき水鳥の
         足に暇なき わが思いかな」


 でありまして、
 目に見えている部分ではうまくやっているように見えることが
 あっても、水面下では見苦しく足をばたつかせているのが
 実情なのです。


■そもそもコミュニケーションとはどういう意味なのでしょうか。
 広辞苑をひいてみましょう。


 【コミュニケーション】

  社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。
  言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。

              [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]


 どうでしょう。

 やっぱりコミュニケーションってこんなに難しいものだった
 んですね(!?)


■このようにコミュニケーションとは、

 自分の知覚・感情・思考を、言語やその他のものによって、
 相手に伝えること。

 なのですが、

 その相手は価値観も違えば、考え方も異なります。

 世界観の異なる人に自分の世界観を理解してもらう、
 あるいはこちらが相手の世界観を受け入れる。

 そこには当然、衝突が発生します。


■ドイツの哲学者、ショーペンハウアーの寓話に

 「ヤマアラシのジレンマ」という言葉があります。


■どういうお話かというと、

 ここに寒空の下、ふるえている2匹のヤマアラシがいます。

 この2匹のヤマアラシは、お互いにくっついて
 暖め合いたいなーと思っています。

 そこでいざ、身を寄せ合ってみるのですが、近づくとグサリと
 針が刺さってしまう。

 そこで離れるのですが、離れてみればやはり寒い。

 でも、近づきすぎると、また針がささってしまうので近づきたくても
 近づけない。


■この話は本来、「自己の自立」と「相手との一体感」の2つの欲求
 によるジレンマを説明したものということなのですが、

 強引にコミュニケーションにあてはめて考えてみますと、

 こうしてお互いに針が刺さり、痛みをおぼえることを
 何度か繰り返しているうちに、

 ちょうど良い、適切な位置を図れるようになってくるように思います。


■私が毎日、どなたかに会っているということは、
 それだけ毎日が痛みを感じる日々というわけでありまして、

 コミュニケーションをとったぶんだけ痛みをおぼえる回数が
 増えるのは当然です。

 それが、すべてうまくいっているように見えるとしたら、
 それは大間違いで、

 毎日毎日、針がグサグサつきささって、
 布団の上や、風呂場や、深夜誰もいなくなった事務所で、ひとり叫び声を
 あげることもしばしばです(ほんとです)


■人とのかかわりあいの中で、


 「ああ、こういうことを言うと、こんなふうに傷つく人がいるのだな」

 「こんな行動をとると、嫌がる人がおられるんだ」

 「こんな態度をとることによって反発が起きるのだ」

 「こんな振る舞いによってケンカになることがあるんだ」


 などなど、こちらからの働きかけによってさまざまな
 レスポンス(反応)が返ってきます。

 そうやって痛みを伴いながら、その中で自己は磨かれるのでは
 ないかとおもいます。

 いつぞやも言いました、「人を慮(おもんぱか)る心」が
 体を通して身に付いてくるものなのかもしれません。


■痛いから、傷つくからということで、恐れ、逃げ回っている
 ばかりでは、自己の成長を放棄することになりかねなくなること
 が怖いのです。

 私は、心配りが不足しているために、毎日のように苦労しています。

 しかし、そこで逃げたら向上はない。これは訓練だ、と思って
 おのれの尻にムチをあてているのです。

 他者とのコミュニケーションのことで苦しむことは、喜ぶべきこと
 だと。


■とはいってみても、こういった類の痛みを受けることは、
 当事者にしては喜べないことかもしれません。

 しかしながら、なんにも痛みもない、苦しみもない状態よりも、
 ずっとありがたいことではないのかと私は思いますし、
 事実、そうなのではないでしょうか。


 【今日のピークパフォーマンス方程式】   ■コミュニケーションをとろうとしても、相手は自分と    価値観も違えば考え方も異なる。衝突が起きて当然だ。   ■だからといってコミュニケーションを回避していては、    いつまでたっても自己の向上はない。   ■近づき合えば痛みを伴うことを認め、その痛みを喜ぼう。    それはコミュニケーション能力向上のプロセスなのだ。

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